特集・コラム

バンド・サウンド向上委員会 episode 1(3ページ目)

スピーカーを“良い音”で鳴らす方法、教えます
〜「良い音が良い演奏につながる」の巻〜

スピーカーを“良い音”で鳴らす方法、教えます

〜「良い音が良い演奏につながる」の巻〜

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chapter 3
グラフィック・イコライザー登場

続けて、紅谷さんは音の違いが生まれた理由を説明してくださいました。

「このミキサーにはグラフィック・イコライザーというエフェクターが内蔵されていて、スピーカーに出す音を調整できます。高音や低音、あるいはその間の高さの音の音量を個別に上げ下げできるんです。音の高低のことを“周波数帯域”とか“帯域”といいますが、複数の帯域の音量を個別に上下できるんです」

写真がEMX5016CFのグラフィック・イコライザーです。63Hzから16kHzまで9つの帯域の音量を上げ下げできます。LEDが光っているところが各帯域の音量の状態を表していて、右上の“ON”ボタンで効果をオン/オフできます。紅谷さんは先ほどから、このボタンを押していたのです。

(下の写真はクリックで拡大できます)

band_04.jpg

 

さて、   LEDを見ると左側の低い帯域(低域)と、右側の高い帯域(高域)の音量が上げられていて、その間は下がっていること がわかります

「まずは中くらいの帯域、いわゆる“中域”が出過ぎていたので、その辺りを下げています。なぜ出過ぎているのかはスピーカーの音質や部屋の形など、いろいろな原因が絡み合っているので一概には言えませんが、教室のような空間では中域が目立ちがちということは言えます。中域はボーカルの成分が多いので、出過ぎているとハウリングの原因にもなりやすいんです。また長年使っているスピーカーは低音が出づらいことも多いですね」

実際、市野先生に伺ったところではメイン・スピーカーは既に10年ほど使用しているものだそう。

「そもそも聴いていて気持ち良い音楽とは、“低域と高域の両方がしっかり出ているもの”という理由もあります。でも、低域を出しぎると気持ち悪くなったりしますし、高域を出しすぎると耳に痛い音になってしまいます。ですから、シーソーのように絶妙なバランスを作ることが大切なんです。低域と高域が同じくらいの音量バランスになるのが理想ですね

このバランスを取れるようになるためには、「まず高い音を調整することからはじめてみよう」と紅谷さん。

「高域のシャキシャキした音に慣れるのが大事です。でも、シャキシャキしすぎると痛い音になるので、出すぎているところをカット、つまり下げると気持ちよい音になっていきます」

ちなみに、イコライザーは英語で“Equalizer”なので、略して“EQ(イーキュー)”と呼びます。そしてスピーカーの音を調節するEQのことを、“最終的な音を調節するEQ”という意味で、“マスターEQ”と呼ぶ のだそうです。

HINT!
略して“グライコ”

“グラフィック・イコライザー”という名前のうち、 “イコライザー”がエフェクターとしての名前で、 “グラフィック”はイコライザーの種類の名前です(目で見て設定がパっとわかるイコライザーという意味)。また“グラフィック・イコライザー”は“グライコ”と略したりもします。この言葉、どんどん使っていきましょう!。

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band_beniya.jpg【バンド・サウンド向上委員会 委員長】
紅谷亮次さん

ソウルでポップなバンド、Wabi_Sabiのベーシスト/DJをメインに活躍される一方で、レコーディング、ミックス、そしてPAまで手がけるエンジニアとしてもマルチに活動中。Glenn Music(グレンミュージック)代表。

Wabi_Sabi:http://wabisabi.dip.jp/
Glenn Music:http://www.glennmusic.jp.net/

 

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