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バンド・サウンド向上委員会 episode 2(1ページ目)

ボーカルがよく聴こえるセッティング
〜「抜けの良い音を作ろう」の巻〜

ボーカルがよく聴こえるセッティング

〜「抜けの良い音を作ろう」の巻〜

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ライブのとき「歌がよく聴こえなくて困った!」という経験、ありませんか?

ボリュームを上げても何だかモワモワするばかりだったりしますよね。そこで今回のテーマはズバリ、「ボーカルが聴こえるようにする」です。

ご協力いただいたのは、東京都立城東高等学校の軽音楽部の皆さん。そして解説していただくのはもちろん、バンド・サウンド向上委員会の委員長、紅谷亮次さんです。

chapter 1
まずはクイズです

城東高校を訪問したのは梅雨入り直前の6月上旬、少し暑いくらいのよく晴れた日でした。部員の皆さんは音楽教室で、取材班を出迎えてくれました。

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挨拶やらPA機材のチェックなどが済んだところで、紅谷さんはおもむろにこう切り出しました。

「最初にクイズを出しましょう。軽音楽部が、ほかの音楽系の部活と圧倒的に違うところが1つあります。吹奏楽部とも合唱部とも違うところ、それは何でしょう? はい、わかる人!」

いきなりの質問に部員の皆さんは、顔を見合わせて「ええ?」と戸惑った表情です。ムリもありません。それでも紅谷さんが「思いつきでいいですよ」とうながすと、部員の方から次のような答えが返ってきました。

「スピーカーを使う」
「自分の好きな曲を演奏できる」

“なるほど”という感じですが、「吹奏楽部でもスピーカーを使うことはあるし、合唱部で自分たちの好きな曲を選ぶこともありますよ」とのこと。

読者の皆さんはもうわかりましたか? 正直、取材班は全く思いつきませんでした……そこで、紅谷さんにヒントをお願いしたところ、「バンドの仕組みに関することです」とのこと。仕組み? ウーン、シクミしくみ……。そのとき部員の方から声が。

「歌と演奏?」

「おお!近い! では正解を。それは“圧倒的に歌が主役”です」と紅谷さん。

「歌もののバンドって全員が平等ではないんです。歌っている人が主役で、ほかのメンバーは歌を支える役割。合唱部や吹奏楽部は全員がどれだけぴったり合うかが大事だけど、バンドは何よりも歌。歌が聴こえないと、そのバンドが評価されることはないでしょう。プロのバンドを観に行って、もし歌が聴こえなかったらガッカリしますよね。でも、ギターが多少聴こえなくても、気にする人はそれほどいないと思います」

確かに、ギタリストのお客さんならともかく、普通の人は歌を聴きたいと思っている人が多いですよね。

「そこで、今日は歌が聴こえるPA機材のセッティングを紹介していきたいと思います」

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band_beniya.jpg【バンド・サウンド向上委員会 委員長】
紅谷亮次さん

ソウルでポップなバンド、Wabi_Sabiのベーシスト/DJをメインに活躍される一方で、レコーディング、ミックス、そしてPAまで手がけるエンジニアとしてもマルチに活動中。Glenn Music(グレンミュージック)代表。

Wabi_Sabi:http://wabisabi.dip.jp/
Glenn Music:http://www.glennmusic.jp.net/

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