特集・コラム

バンド・サウンド向上委員会 episode 2(3ページ目)

ボーカルがよく聴こえるセッティング
〜「抜けの良い音を作ろう」の巻〜

ボーカルがよく聴こえるセッティング

〜「抜けの良い音を作ろう」の巻〜

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chapter 4
マイクの前にグライコ!

次は紅谷さんの出番です。Agletの演奏を聴いて、マイクの音をどうするのかと思いきや、「まずグライコの設定をしましょう」とのこと。そうです。皆さん、前回のテーマを覚えていますか? PAで良い音を出すためには、まずメイン・スピーカーの音を調整するグラフィック・イコライザー(グライコ)が大切なんでしたよね。

「陸上部が石ころだらけのグラウンドでいくら練習しても、速く走れるようにはならないですよね。それと同じこと。グライコでメイン・スピーカーの音を作るのは、いわば石を取り除く作業です。これをやらないと、いくらマイクの音だけ変えても良くはなりません」

というわけで、リファレンス曲を鳴らしながら、グライコの設定をいじる紅谷さん。その詳細は省きますが、気になる方はぜひ前号の「episode 1」をご覧ください。

紅谷さんが調整したグラフィック・イコライザーの写真がコレです。

keion_v2_band_07.jpg

偶然にも「episode 1」で登場したミキサーと同じYAMAHA EMX5016CFを城東高校でも使用されていたので、ぜひ前号と見比べてみてほしいのですが、随分と設定が異なりますよね。でも、これは当然の話。部屋や使ってるスピーカーが違えば、調整するべき周波数帯域も異なります。特に今回は、城東高校のメイン・スピーカーにサブウーファーが使われていたことが大きく影響しているそう。

「サブウーファーは低音専用のスピーカーのことです。これがあるために低音は何もしなくても十分に出ているので、グライコでは前回に比べて低域をあまり上げていません。むしろ帯域によっては下げているくらいです」

実際、グライコ調整後のメイン・スピーカーのサウンドは「スッキリ」という印象。前回同様、取材班は調整前の音に何の問題も感じていませんでしたが(すみません)、紅谷さんにリファレンス曲を流しながらグライコをオン/オフしてもらうと、調整前はモコモコしていたことがハッキリわかりました。部員の皆さんもその音の違いには納得の様子。グライコの重要性を再認識です。

keion_v2_band_08.jpg

HINT!
周波数帯域って何?

●音の正体を簡単に言えば「空気の振動」
●空気の振動を難しく言うと「周波数」
●周波数の単位は「Hz(ヘルツ)」
●ある周波数からある周波数までの範囲が「周波数帯域」

大抵の音は1つの周波数だけではなく、いろんな周波数が混じり合っています。そういう音を表すときは、幅を示すことができる「周波数帯域」という言葉が便利です。

例えば、「人間の耳が聴こえる周波数帯域は20Hzから20kHz(キロヘルツ)」と言ったりします。ちなみに、周波数が高くなれば音は高くなりますし、周波数が低ければ音は低くなります。もうひとつちなみに、高い周波数帯域を「高域」、中くらいを「中域」、低いものを「低域」と呼んだりします。

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band_beniya.jpg【バンド・サウンド向上委員会 委員長】
紅谷亮次さん

ソウルでポップなバンド、Wabi_Sabiのベーシスト/DJをメインに活躍される一方で、レコーディング、ミックス、そしてPAまで手がけるエンジニアとしてもマルチに活動中。Glenn Music(グレンミュージック)代表。

Wabi_Sabi:http://wabisabi.dip.jp/
Glenn Music:http://www.glennmusic.jp.net/

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