特集・コラム

バンド・サウンド向上委員会 episode 2(5ページ目)

ボーカルがよく聴こえるセッティング
〜「抜けの良い音を作ろう」の巻〜

ボーカルがよく聴こえるセッティング

〜「抜けの良い音を作ろう」の巻〜

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chapter 7
イコライザーを使ってみよう

では、紅谷さんは何をしたのでしょうか。その結果が下の写真です。

keion_v2_band_11.jpg

これはミキサーのマイクをつないだチャンネルに付いているイコライザーの部分です(ミキサーの縦一列をチャンネルと呼びます)。紅谷さんはここでマイクの音を調節したのです。まず、ツマミの役割を見てみましょう。

①ハイ(HIGH):高域の音量を調節します。基本は中央の「0」で、右に回せば高い音が大きくなり(ブーストと言います)、左に回せば高い音が小さくなります(カットと言います)。
②ミッド(MID):中域の調整用で、2つのツマミで調節します。上のツマミは周波数帯域を決めるもの。下のツマミはその周波数帯域の音量用で、基本は中央の「0」、右に回せば大きくなり、左に回せば小さくなります。
③ロー(LOW):低域の音量を調節します。基本は中央の「0」で、右に回せば低い音が大きくなり、左に回せば低い音が小さくなります。 「なぜミッドだけツマミが2つ?」と思うかもしれませんね。実は、ハイとローは周波数帯域があらかじめ決められているのです。でも、ミッドだけは周波数帯域を250Hzから5kHzまでの範囲で変えられるようになっているというわけです。

chapter 8
やり過ぎてみよう!!

では、もう一度、上のイコライザーの写真を見てみましょう。

ハイは少しカット
ミッドは少し低めの周波数帯域を多めにカット
ローは「0」なので何もしていません

となっていますね。なぜ、こうなったのかを紅谷さんに教えていただきました。まずはハイから。

「ハキハキさせたいときはハイを上げますが、上げすぎるとハウリングしやすくなります。今回はグライコで高域が聴こえるようにしたので、マイクのイコライザーはハウリングを抑えるためにカットしました」

お次はミッドです。

「最初に音量用のツマミをカット方向に回しておいて、すっきりと聴こえるような声、プロは“抜けがよい”という表現をしますが、そういう声になりそうなところを周波数帯域用のツマミで探していきました。その後、音量用のツマミを「0」方向に戻して微調整しています」

最後はローです。

「メイン・スピーカーにはサブウーファーもあったので、低音は十分に出ていました。そのためマイクのチャンネルは特に調整の必要がありませんでした」

何となく、イコライザーを使うイメージはつかめたでしょうか? 紅谷さんによればイコライザーを使うコツは「怖がらないで、やり過ぎてみること」だそうです。

「最初はツマミを極端に変えてみましょう。そうすると音の変化を体感できると思います。そこから戻していけば、欲しい音を見つけやすくなると思いますよ。好きな音楽を流しながら、グリグリ動かしてみてください」

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band_beniya.jpg【バンド・サウンド向上委員会 委員長】
紅谷亮次さん

ソウルでポップなバンド、Wabi_Sabiのベーシスト/DJをメインに活躍される一方で、レコーディング、ミックス、そしてPAまで手がけるエンジニアとしてもマルチに活動中。Glenn Music(グレンミュージック)代表。

Wabi_Sabi:http://wabisabi.dip.jp/
Glenn Music:http://www.glennmusic.jp.net/

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