特集・コラム

PAセミナー:超小型でクリアなサウンド 練習からライブまで大活躍の高音質ポータブルPAスピーカー(2ページ目)

バンドから弾き語りまで
クリアな音質でライブできる!

「研究・開発」を最優先に考えるユニークな企業

セミナーでは、最初に長谷さんからBoseの歴史についてお話がありました。まずはその一部を要約してご紹介しておきましょう。

「Boseは、アメリカのマサチューセッツ工科大学の教授であったボーズ博士によって1964年に創業されました。クラシック愛好家であった博士は、当時のオーディオ機器の音が、あまりにも生音とかけ離れていることに失望し、自らスピーカーの開発に乗り出したのです。つまり、いつもホールで聴いている生のオーケストラの音を、スピーカーでも忠実に再現したいという思いが、Bose創業のきっかけとなったわけです」

その後、Boseは世界中に支社と工場を持つ大企業へと成長しましたが、その一方で、ボーズ博士は亡くなるまで大学の教壇に立ち続け、研究/開発に没頭されたそうです。

「そうしたボーズ博士の姿勢は企業理念にも受け継がれていて、Boseにとって最も大切なのは“研究/開発”であり、決して利益追求ではありません」

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バンド練習用モニターとして

Boseへの理解が深まったところで、早速、S1 Proをバンド練習用モニターとして使ってみることになりました。協力していただいたのはMonkey Businessの皆さんです(ボーカル/ギター:高見澤海羽さん、ベース:中大路雅楽さん、ドラム:今井健太さん)。

「まずボーカル用マイクをS1 Proに接続して、ToneMatchスイッチもマイクの位置に合わせます。気持ち良く歌えるようにリバーブも少しかけましょう。S1 Proは床に縦&上向きで、バンドの中央辺りに置くのがオススメです。水平100度の指向性がバンド全体をカバーするので、全員が歌をモニターできます」

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設置はあっという間に終了。早速、演奏してもらいました。すると、とてもS1 Proのサイズからは想像できないパワフルな歌声が響き渡りました。

試しに取材班はボーカル、ベース、ドラムの各ポジションで試聴してみたのですが、どの位置でも伸びやかな歌声がはっきり聴こえてきます。ドラムにも全く負けていません。そしてその音質はとても「クリア」、非常に透明感があります。演奏終了後、ボーカルの高見澤さんに感想を伺ってみました。

「めっちゃ自分の声が聴こえました! いつもはメイン用のPAスピーカーを自分たちのほうに向けて練習しているのですが、こんなに歌が聴こえたことはなかったです!」ベースの中大路さんも「歌がよく聴こえて演奏しやすかったです」とのこと。ドラムの今井さんに至っては「いつもの練習よりも歌が聴こえてきたので驚いてます」と本当にびっくりした様子でした。これは想像以上にすごいスピーカーのようです!

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モニター+メインの2台使い

「次はS1 Proを2台使って、1台はバンド・モニター用に、もう1台はスタンドに立てて外音用のメイン・スピーカーにしてみましょう。S1 Proにはライン・アウトが付いているので、複数台を接続して使うことができるんです。また試しにモニター用のS1 Proはボーカル側に置いてみますね」

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このセッティングでMonkey Businessの皆さんには同じ演奏をお願いしました。すると、部員の皆さんからは、「普段の練習では歌がモコついて聴こえることが多いんですけど、こんなにクリアな音は初めてです。すごく臨場感があります」(板金竜悟さん)、「照明を担当しているので、部屋の一番後ろで聴くことが多いんですけど、いつもは声がモコモコしているんです。でも、今日は一番後ろでも、声がすごくきれいに聴こえてきました。欲しいです!」(松舘穂乃花さん)という声が聞かれました。

また、バンドの皆さんも問題なくモニター&演奏できたそうです。このセッティングにおいてもパワフルかつクリアというS1 Proの特長がいかんなく発揮される結果となりました。

弾き語りライブ用セッティング

「次は弾き語りライブ用セッティングです。まずマイクとアコースティック・ギターに付いているピックアップの出力をS1 Proに接続し、ToneMatchスイッチもそれぞれの位置に切り替えます。アコギの場合はToneMatchスイッチを切り替えることで、不要なこもりを抑えてくれるんです。そして、S1 Proは床に縦&上向きに置いて、お客さんのほうへ向けます。準備はたったこれだけです」

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このセッティングで演奏してくれたのも、Monkey Businessの高見澤さん。実は、弾き語りを部員の前で披露するのはこの日が初めてだったそうなのですが、躍動感のあるとても素晴らしい演奏と歌声を披露してくださいました。S1 Proの感想を伺うと「これまで生音でしか鳴らしたことがなくて、今日初めてラインをつないだんですけど、すごくいい音だなと思いました。気持ち良かったです」と笑顔で答えてくれました。

また部員の方々からは、「弾き語りでも違和感なく聴ける音でした。すごく良かったです」(田中佳穂さん)、「アコギの1本1本の弦の音が鳴っている感じがクリアに伝わってきました。アコギの上にボーカルが自然に乗っていて、スっと耳に入ってくる音で、弾き語りには最適だなと思いました」(白水亜美さん)という感想が聞かれました。

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長谷さんいわく「一般的なスピーカーは床に置くとモコモコした音になりがちなのですが、S1 Proは上に傾けられることと、その状態で最適な音質にAuto EQ機能が調節してくれることによって、お客さんの耳の辺りへ直接的に音を届けられるように設計されています。そのため、クリアなサウンドになっているんです」とのこと。原音に忠実な音を目指したボーズ博士の理念はこのS1 Proにもしっかり受け継がれているわけです。

2台をスタンドに立ててモニター&メインに

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最後は2台のS1 Proをメイン&モニターとして使用するセッティングです。入力したのはマイクのみで、ライン・アウトで2台のS1 Proから同じ音を出しました。

この使い方が特殊なのは、マイクの後ろにS1 Proがある点。つまりハウリングしやすい状況なのですが、「S1 Proはハウリングしにくい構造になっているんです。絶対しないわけではないですけどね」と長谷さん。

「もともと、S1 Proは演奏者と観客が同じ音を共有できるようにというコンセプトで開発されているからこそ、このようなセッティングも可能なんです」

本セミナーでは、ほかにもベースやギターの楽器用アンプとして、あるいは横置きでフロア・モニターとしてなど、さまざまな使い方を体験できました。小型、パワフル、クリアと3拍子そろったS1 Pro。今後はストリート・ライブ等で見かける機会も増えそうです!


[お問い合わせ]
ボーズ合同会社 プロシステム事業部
03-5114-2750
https://probose.jp/product/boses1-pro/


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『軽音マガジン 2018 Vol.4』 トップ・ページへ