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ここでは音楽業界の仕事内容と、必要な知識や能力、またそれを学べるスクールについてアドバイスしていこう。

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オリジナル・アーティストの仕事
やっぱり自分がイチバン

★バンドマン、ボーカリスト、シンガー・ソングライター、ソングライター etc.

 オリジナル・アーティストの仕事は、なんと言ってもよい曲を作って多くの人に聴いてもらうこと。別の言い方をすれば、ヒット曲を出すことこそが唯一最大の使命と言える。

 具体的には、まず作詞作曲。そのためには日常生活のさまざまな場面、例えば街を歩いているときなど、いつでも曲のことを考え、歌詞やテーマなどの発想を磨いていることが必要になる。いわば生活そのものがアーティストであるような生き方が求められるのだ。

ボーカリストやバンド・メンバーなど直接曲作りに携わらない場合でも、作詞家や作曲家と問題意識を共有することが大切。特にボーカリストの場合は、歌詞の理解のためにも、作詞の能力はほぼ間違いなく必要になるだろう。

 またステージでのパフォーマーとしての魅力も必須だ。そこにいるだけでも雰囲気の感じられる存在感、今を生きるアーティストとしての現代性を全身にまとっている人であることが求められる。明るい性格である必要はないが、表現者として常に外へ向けて何かを発し続ける存在であり、また、物作りに対してポジティブな姿勢を持っている人でないと務まらないだろう。

 ミュージック・スクールでは、現役アーティストでもある講師陣と接することで、アーティストの資質、その生き方や発想を間近に学ぶことができる。もしアーティストを目指すなら、スクールを大いに活用したいところだ。


ミュージシャンの仕事
三度のメシより腕みがき

★ミュージシャン、アレンジャー、トラックメイカー、サウンド・クリエイター、クラブDJ etc.

 さまざまな人の要望を受けて音楽を作るミュージシャン。アーティストやディレクター、プロデューサーなどの発注に応じて、自らの技術を提供する専門職だ。

 それだけに、まず必要なのは高度な技術と専門的な知識。プレイヤーなら楽器演奏のテクニックはもちろん、いろんなジャンルのフレーズを数多く知っていることが重要だ。さらにその人ならではの得意分野があることも求められる。アレンジャーも同様で、専門家らしい高度なアレンジ能力、弦楽器やリズムに対する定番かつ深い知識があることが要求されるとともに、最新流行のジャンルに対する感度の高さも必要だ。

 こういった技術レベルと併せて、人の話をよく聞き、理解する能力も必要になる。プロデューサーなど発注者の意図を素早く把握し、気持ちよくコミュニケーションする能力がなければ仕事にならない。また、現場でのさまざまな要求に前向き応じられる即応性と明るさも必要だ。

 ミュージシャンを目指す場合、独学ではどうしても視野が狭くなりがちだが、ミュージック・スクールなら歴史やジャンルのなりたちを踏まえた上で、広い観点から高い技術を習得することができる。また、学内コンサートやスタジオ実習など、実地経験を数多く積めるのも魅力だ。厳しい現場の雰囲気を肌で感じれば、そのリアリティも大きく違うもの。本番さながらの環境は、きっとプラスに作用するだろう。



プロデューサーの仕事
流行を仕掛けます

★プロデューサー、ディレクター、イベンター etc.

 アーティストを発掘し、CD を制作したり、コンサートやイベントを企画するのがプロデューサーの役目。音楽を直接仕事にするというよりも、音楽を仕事にする場所を作る立場とも言える。もちろん最初から責任ある地位につくことは難しいので、音楽プロダクションやイベント会社などに就職し、アシスタントから始めることになる。何よりも人脈が必要な職種なので、下積みをしながら自分のネットワークを作り、徐々に仕事ができるようになっていくのだ。

 必要な資質としては、音楽を愛する気持ちはもちろんだが、同時にその音楽が時代にどのように受け入れられるかを考える能力。また、音楽家個々の能力を見定める力、社会や音楽の現状を冷静に見極める眼力も不可欠と言える。

 さらに、それらをどう組み合わせればいいかといった企画力も大事。この楽曲はどんな場所に持っていけば光輝くのか、この音楽家とあの音楽家を組ませればいい化学反応が起きるのではないか、といった構想をする力が要求される。

 もちろん、ビジネス感覚も重要だ。音楽と社会の接点という存在であるから、資金を集めたり予算を管理したりといった金銭管理はこの仕事の最大の役割になる。

 音楽ビジネス科やプロデューサー科を設置しているミュージック・スクールは、こういった仕事の実践的な知識を学べるとともに、制作会社への就職の大きな足がかりになるだろう。


マネージャーの仕事
業界を支えるザ・裏方

★マネージャー、プロモーター、音楽スタジオ・スタッフ、楽器販売スタッフ、CD販売スタッフ etc.

 簡単に言えば音楽家のお世話係なのだが、ただ単に下働き役というわけではない。一番身近にいるスタッフとして、音楽の方向性を決めたり、イメージ作りの戦略を考えるなど、ブレーンとしての仕事を行うことも多い。

 また、音楽スタジオや楽器店のスタッフなどでも、最初は下働きのような業務から始まるかもしれないが、徐々に責任ある地位につくにしたがって、その場所全体のマネージメント、ひいてはどのような営業形態にすべきかといった、経営の一部に参画することにもなる。

 こういった経験の先には、当然、自らのマネージメント会社、スタジオ、楽器店を持ち、経営者として思いのままにそれらをマネージメントするといった将来が考えられるだろう。

 必要とされる能力は、人の立場に立ってものを考える能力。自分のマネージメントする人や場所への共感はもちろん、それがお客さんやユーザーにどのような印象を与えるか、といったところまで広く考え、感じる能力が不可欠。さらに、それをよりよい音楽に結びつけるための企画力や実行力も必要になる。相手にするのは“お客さん”ではない。常によい音楽を作りたいと思っている貪欲な音楽家たちなのだ。

 会社や組織に属することから始める仕事だけに、マネージメント会社や楽器店などへの就職の窓口としてミュージック・スクールを多いに活用するといい。もちろんスキルも身につく。



メディアの仕事
探求心を忘れない

★ラジオDJ、音楽ライター、音楽評論家、音楽雑誌編集者、番組プロデューサー、番組ディレクター etc.

 音楽を評価して紹介するのがこの仕事。新しく発売された音楽や、自分が発掘してきた音楽の魅力をリスナーにわかりやすい形で伝える。あるいはすでに知られている曲の新たな聴き方を提示するのも重要な仕事と言えるだろう。

 必要な資質としては、とにかく音楽を聴くのが好きなこと。それも漠然と聴くのではなく、系統立てたり、細部を分析したりと、探究心を持って知的に聴く能力がいる。またそれが今の世の中にどう受け入れられるかを見極める能力も必要で、現代社会への関心が非常に重要になる。先のプロデューサー仕事と似ているところがあり、実際両者を兼ねるケースも多い。

 もちろん、それぞれの専門スキルも必要だ。特にライターの場合、文章力は必須と言える。

 フリー編集者をはじめ、会社に属さなくてもできる仕事なので、極論すれば、自分で名乗ればその日からなれるのだが、実際には、DJ ならばプレイする場所、ライターなら書くメディアがなければ仕事にならない。それを得るためにも、また情報収集のためにも、人脈作りは重要。積極的に人の中に入り、幅広い人間関係を築けることも必要な資質の1 つと言えるだろう。

 ミュージック・スクールでは、さまざまな音楽ジャンルに関して、それらがどのように関連し発展してきたかといった体系的な知識が学べる。また、同世代の音楽家の卵たちと接することも、将来に向けて大きな財産になるはずだ。


エンジニアの仕事
機材は一生の研究テーマ

★ミキシング・エンジニア、PAエンジニア、プログラマー、楽器テクニシャン、クラフトマン、リペアマン etc.

 音響機器を操作したり、楽器の修理やコンディションを整える、文字どおり技術職だ。フリーでも可能だが、最初はどこかの会社に所属するのが一般的だろう。ミキシング・エンジニアの場合は、レコーディング・スタジオやPA 会社のアシスタントから始めることになるし、楽器メーカーなら新入社員として就職することになる。

 必要な能力としては、当然、それぞれの専門分野に関する知識と技術だろう。実際には現場に入って見習い仕事をしながら実践で技術を身につけることになるのだが、その場合でも基本的な知識や技術はすでに習得していることが望まれる。使う側にすれば、忙しい現場で基本をイチから教えるわけにはいかないし、見習いをする側でも、技術を盗むためにはそこで何が行われているかを理解できる知識が必須だ。

 また、別の見方をすれば、音楽家やディレクターなど、常に人と一緒に仕事する職種でもあるので、相手の要望を的確に把握するコミュニケーション能力も重要と言える。

 そのような専門知識と技術を習うことができるのが、まさにミュージック・スクールだ。本格的なスタジオを備えプロと同等の実習ができる学校も多いし、学内ライブなどでPA の現場を体験できる機会も多い。楽器クラフトやリペア専門のコースを持っているスクールもある。なかなか一般募集のない業界企業の求人も多いので、就職の窓口としても非常に有効だ。



文:高山博
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