年間1,100時間を超える実習で本物のギターエンジニアを育成
フェルナンデス・ギターエンジニア・スクール

創立30年目を迎えたフェルナンデス・ギターエンジニア・スクールは、世界のミュージシャンに愛用されている日本生まれのギター・ブランド、フェルナンデスが一流のギターエンジニアを育成するために創設した学校。

学生たちは2年をかけて、真の良質なギター製作のノウハウを基礎から学ぶ。さらに、卒業してすぐ仕事に就けるよう高度な技術習得を目指す。これらを可能にしているのが、圧倒的な実習時間だ。実習を中心に行われる通常授業のほか、放課後や休日、夏休みなどの長期休暇中も学校を可能な限り開放し、年間約80 日もの補習日を設けている。その結果、実習時間は年間1,100 時間を超える。指導するのは、BUCK-TICK、44MAGNUM、ニール・ショーン(g)など国内外のプロ・アーティストの製作にも携わった講師。少人数制のため、きめ細かい指導を受けられるのはもちろん、学生たちが納得のいくまで製作に没頭できる環境を提供している。

就職については、面談を重ねて学生の適正と指向性を見極め、楽器メーカーやショップ、海外勤務の仕事など、幅広い分野の求人から各々に適した職種を紹介。即戦力を求められる近年の傾向を踏まえて、確かな技術力を持った人材の輩出に一層の力を入れている。

充実のスクールライフ

圧倒的な実習時間が経験値を高める

実習中心の授業に加え、放課後や休日も学校を開放し、年間を通してギター製作に集中できる環境を提供している。ほとんどの学生がこの学校開放を有効に利用していて、製作という行程を通して楽器さらには自分自身と向き合い、経験値を高めている。

高い技術力を持つプロを育成

確かな技術を持ったプロになるには経験が必要だ。ギター製作本科では2 年間でギターとベースを最大8 本、アコースティック科では最大7 本の楽器を製作する。求められるクオリティは高い。講師の山本氏は「覚悟を持って入学してほしい」と話す。

プロ仕様の設備を使用できる少人数制

高い技術の習得には、少人数制は大きなメリット。プロ・アーティストの製作にも使用している設備を学生が自由に使えるし、講師の目が一人ひとりに行き届き、きめ細かな指導を受けられる。学生同士の交流も盛んになり、アットホームな校風が生まれている。

在校生/卒業生/講師からの声

1年中、製作に没頭できる環境がすごく好きです
加藤亨高さん/ギター製作本科 2年

僕がこの学校に入ったのは18 歳のとき。大学受験が嫌で、かといって予備校にも通いたくなかったから、という不純な動機(笑)なんですが、もちろんギターが好きで、作ってみたいという気持ちがあったので、入学するに至りました。というわけで、実際に入ってみて、プロになるって大変なんだなぁ、自分にはレベルが高すぎたなぁと実感しています。でも、この学校は少人数制で一人ひとりのことをちゃんと見てもらえるし、丁寧に教えてもらえるので、より勉強できる、実になる気がしています。それと1 年中、製作に没頭できる環境がすごく好きですね。高校3 年のときにかなりだらけた生活をしていたので、今こうやって毎日ギター製作に向き合っていることが新鮮だったりします。将来の夢は、みんなから尊敬されるリペアマンになること。プロ・ミュージシャンが使っているような楽器をリペアしてみたいし、自分がリペアすることで、この人に頼んでよかったなと思ってもらいたい。そのために頑張ります!

自信と覚悟を持って頑張れば、きっと伸びる
岸本友恵さん/アコースティック科 2年

私はもともと大学で空間演出デザインについて学んでいました。音のある空間がどういうものなのかを考え、その空間を意識した作品作りを行ってきたのですが、あるときトミー・エマニュエルのギターを聴いて、こういう人の音を作れたらいいなと思い、ギターという楽器に興味を持つようになりました。それまではギターをほぼ弾いたことがなかったんですが、あの魅力的な音を自分でつかさどってみたい、つかさどれるギターを作りたいと思い、この学校の門を叩きました。でも実際に入ってみると、ぜんぜんそのレベルではなく、作ることに手一杯(笑)。求められるクオリティに到達するのがやっとで、音へのこだわりなんてまだ先のことだろうなと感じています。 目指しているのは、やっぱり製作家です。アーティストやプレイヤーが演奏する環境のことも含めて考えながらギターを作れたらいいなと。クラシック系コンサートホールの生音の響きは素晴らしいので、そこで自分の作ったギターを弾いてもらいたいというのが夢です。

この技術は、学校でないと学べないもの
石田光さん/アコースティック科 2年

僕は最近まで普通の会社員でした。ギターが好きで、作ってみたいとは思っていましたが、ずっと趣味の域でした。それがあるとき、このままではつまらない、一度好きな方向を目指してみるかな、と思い立ち、53歳で会社を辞め、この学校に入りました。最近はインターネットを使えばギター作りについての知識を簡単に得られるので、僕もその情報をもとに知識だけは蓄えていたつもりでした。でも実際に学校で教わりながら作ってみると、想像以上に難しい。演奏してもらえる製品に仕上げる、商品として世に出せるものを作る、そのために求められるクオリティが段違いに高いんです。この技術は、自分でやっているだけでは身につかない。学校でないと学べないものだと思いますね。卒業後はギター製作家になることを目標としていますが、そんなに簡単じゃないということを思い知らされています。でも、人の手によるモノ作りである以上、クオリティを求められるのは当然のこと。日々、技術力向上に精進していきます。

自分はやっぱりモノ作りが好きなんだと確信した
辻悠矢さん/アコースティック科 2年

高校卒業後、北海道から上京してこの学校に入りました。高校生のとき、雑誌でギターを作る学校があるというのを知って、もう高校1 年の頃から行きたいなぁと思っていたんです。学校をいろいろ調べた中でフェルナンデスにした決め手は、1 日中製作していられる環境だったことです。ところが、実際に入ってみるとものすごく大変で(苦笑)。僕はそれまで、ギター作りってわりとスムーズに進められるものなのかと思っていたんですが、それを完全に覆されました。求められる基準がものすごく高いんです。この基準は、卒業してすぐにプロとして仕事をしていけるまでの技術を身につける、という学校の方針で定まっているんですが、そこに到達するのがかなり難しい。ついていくのがやっとです。でも、この学校に入ってみて、やっぱりモノ作り、木工が好きなんだと確信したことは自分にとって大きいですね。厳しい世界だと聞いていますが、卒業後はギターか家具製作の仕事に就けるよう、技術を磨いていきたいと思っています。

学校情報

フェルナンデス・ギターエンジニア・スクール


大きな地図で見る