現場に生きるミュージシャン=“音楽職人”を育てる名門校
音楽学校 アン・ミュージック・スクール

1967年に創設されたアン・ミュージック・スクール(以下AN)は、日本の音楽学校界における草分け的存在で、現場に数多くのプロ・ミュージシャンを送り続けている名門校である。もともとプロの再養成機関として設立された出自を持ち、音楽業界への就職を目的とするのではなく、現場に生きる、長く活躍できる“音楽職人”の輩出に力を注いでいる。

AN の考える音楽職人の条件とは、高度な演奏技術の保有はもちろん、細かなニュアンスを表現する力、目標達成に向けて取り組む力、セルフマネジメント力のどれもが高次元であること。そういった人材の育成に向けて、募集生徒数に制限を設けながら、一流のプロ・ミュージシャンによるマンツーマンのレッスンと、生徒一人ひとりに寄り添うスタッフ・カウンセリングを実施している。

楽器系の各学科には、2年制のマスター・コース(4月/10月入学)と、好きな授業を1科目から選択できるセレクティブ・コース(毎月の入学が可能)を設けている。アットホームな雰囲気の中、情熱のある生徒を丁寧に確実に育てていくというプロ志向の校風が魅力の AN。音楽を一生の仕事にしようと思うなら、ぜひ選択肢に入れたい学校だ。

充実のスクールライフ

“音楽職人”を育てる教育/環境

現場で長く活躍していける“ 音楽職人” の育成を目指し、講義スタイルでの授業は少人数制、実技レッスンは一流のプロ・ミュージシャンによるマンツーマン指導を実施。講師と生徒が師弟ともいえる関係を築きながら、技術や音楽センスを効率的に磨いていける。

各々の目的やレベルに合わせて授業を組み立てられる

主にプロ養成を目的とするマスター・コースでは、専攻実技を中心とした必修科目と幅広い選択科目から、各自に適したカリキュラムが組めるようになっている。2 年間を修了したのち、さらに学びたい意志があれば、研究生となり期限なく在籍することも可能だ。

一人ひとりに専属スタッフがつき、夢を親身にサポート

生徒には必ずカウンセリングを担うスタッフがつき、一人ひとりが掲げる目標の実現に向けて、ともに悩み考えながら歩むようなサポートを行っている。また、在学中の努力が無駄にならないよう、音楽業界への橋渡しをするプロダクション機能もある。

在校生/卒業生/講師からの声

「レベルが上がった実感があり目標もより高いものになりました」
芳賀洋明さん/マスター・コースベース科 2年

音楽科のある高校でベースを専攻し、卒業後はバンド活動と並行して、ベーシストとして演奏のお仕事をいただける状況になっていました。でも、さらにステップアップしたくて音楽学校に興味を持ったんです。グループ・レッスンのような形でなく、個人として教われることを重視していたので、一流の講師にマンツーマンで指導していただける点が ANを選ぶ決め手になりましたね。高校時代に詰め込んだ下地があるので、AN では技術面よりもニュアンスや表現力、それと講師の方々が経験されてきた現場の知識を得たいと思っていますが、実際そうした点を奥深く学べていますし、新しく気づけることも多々あります。マンツーマンの授業はじっくり会話しながら課題をこなすことで腕を磨くことができ、座学も少人数制なので不明点があればすぐに解決できる点は大きなメリットですね。理論もわかるようになってレベルが上がった実感があり、自分の演奏に自信を持てるようになったのと同時に、今後の目標もより高いものになりました。

「多様な授業の中で新しい可能性も見えてきた」
新藤大地さん/マスター・コースギター科 研究生

大学を出て一度は就職もしましたが、やはり音楽の道に進みたいという気持ちが強くなり、真剣に取り組むために AN に入学しました。それまでギターは独学だったので、入った途端、できているようで実はできていなかった事柄が浮き彫りになりましたね。それからは基本を叩き込まれ(笑)……まだまだではありますが、現時点でかなり伸びてきた手応えがあります。実践的な練習の積み重ねでスケールやコードの引き出しが増えましたし、アンサンブルの授業の一環でライブ形態の発表会もあり、緊張感を持って上を目指せています。ギター科とはいえジャズの理論や作曲の授業も受けられ、 DTMを学ぶ過程で歌も歌うようになりました。それもあって今はシンガー/ソングライターとしての可能性も見えてきて、ギターを追求しつつ歌と楽曲制作でも力をつけようと思っています。僕は少し遠回りしましたが、早くから学校に通うに越したことはありません。AN は基礎から丁寧に教えてくれるので、意欲があれば確実に上達できます。

「自分をプロデュースできる自由度の高い校風と、無駄の一切ない授業」
ドラマー/尾田遼平さん
マスター・コース ドラム科 2013年卒業

中学生でドラムと出会い、高校時代に地元のバンドで活動したのちに上京。とにかく音楽で生計を立てていくために学校に行こうと思いました。ANを選んだ理由のひとつは、音大や専門学校に比べて圧倒的に学費が安いこと(笑)。卒業資格がほしかったわけでもないし、結局どこでどう学ぶかは本人次第なので、目標に向かって自分をプロデュースしていくという点でこの学校は自由度が高いと思いますよ。親身に相談に乗ってくれるスタッフと第一線で活躍されている講師が数多くいるので、どの授業にも無駄は一切ないですしね。現在は多様なアーティストのサポートをしていますが、そこではどんな音楽や状況にも耐える対応力が求められます。その点でもAN で学んだことはすべて生きていますよ。毎日学校に通い、数時間の練習をして帰宅する日々の中、将来の不安に駆られることもありましたが、その経験があってこそ今の自分がある。無駄な道はひとつもないし、今に至るために良い意味での“遠回り”をさせてもらった学生時代でした。

「学校は通過点に過ぎないがそこで過ごした時間はかけがえのないもの」
作曲・編曲家/前口渉さん
マスター・コース ギター科 2003年卒業

14歳の夜、ラジオから流れてきた「ハイウェイ・スター」に衝撃を受けてギターを手にしました。それからバンドにのめり込む中でジャズに憧れを抱き、そのジャンルに卓越し、かつカリキュラムが洗練された歴史ある学校で学びたいと思い ANを選んだんです。入ってみての印象は、基礎を大切に教えてくれるということ。技術を学んだ感覚は正直あまりなく(僕がヘタだったからですが)、むしろ師の思想に触れることが重要でした。中でも作編曲の師の “何事も10 年やりなさい”という言葉は今も信念になっています。ミュージシャンになれるかもしれない、なれないかもしれない……でも10 年真剣にやった結果は必ず出ます。違う形であろうと。かくいう僕は目指したギタリストにはなれませんでしたが、ギターを使って作編曲する人にはなっていますし、そんな自分を誇りに思っています。学校は通過点に過ぎませんが、今音楽で生きている自分にとって、身近に先生やライバルがいたその場所で過ごした時間はかけがえのないものです。

学校情報

音楽学校 アン・ミュージック・スクール