特集・コラム

楽器を買ってみよう!for 初心者 ~アコギ編~

ミュゥスクレッスンをご覧の皆さん、こんにちは。いい教室や先生は見つかりましたか?
これからどっぷり音楽の世界にハマってくださいね!

さて、このコーナーでは、初心者のかたが、いよいよ本格的に自分の楽器が欲しくなった時に、楽器店でどんなことをチェックしたらよいのかを、弊社刊の教則本やDVDでおなじみのミュージシャンがレクチャーします。

前回のエレキ編に続き、第二回目はアコースティック・ギター編。今回のナビゲーターはシェークハンド野村大輔さんの登場です。弊社からは「究極のアコギ練習帳」の教則本や同タイトルの教則DVDなど多数の著作でお馴染みの人気ギタリストです。前回エレキ編の宮脇さんと同様に、野村さんもご自身のスクール(野村大輔プライベートレッスン)をはじめ、店頭クリニックなどで多くのギタリストを教えています。もちろんギタリストとしての活動も多忙なので、最近は趣味の卓球に行く時間が無いとかあるとか(笑)。そんな野村さんに、得意のドライブ攻撃で、はじめてのアコギ購入時のチェックポイントを攻略していただきましょう!

シェイクハンド野村のアコギ選びfor初心者

■アコギを買う前に

「はじめてギターを買うぞ!」もしくは「エレキは持っているけどアコギは持っていないから買ってみたいぞ!!」という皆さんのために、アコースティック・ギター購入の際のチェックポイントについてアレコレ書いてみたいと思いますが、ホントに初めて買う場合、いったい何がどうなっているのか分からない事も多いと思うので、出来るだけそういった不安な事が緩和できると良いかなと思います。あと、皆さんそれぞれ予算の都合もあると思いますので、お財布と相談しながら素晴らしいギターに巡り会えることを願っています!!


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■ファースト・ギターは見た目が勝負!

のっけのタイトルからしてスゴいですが(笑)、やっぱりファースト・ギターは見た目が勝負です。本当にカッコいいと思えたギターというのは、その後もずっと大事に弾いていけるのですが、ちょっと見た目は気にいらなかったけど音が良かったから買ったとか、友達に勧められたから買ったとか…こういった、購入時に心の迷いが少しでもあったギターは長持ちしないんですよね。大抵が、しばらくしたら売ってしまったり、人にあげちゃったり、壊れたまま倉庫に眠ってたり等々、そうなってしまうとちょっと寂しいですよね。そんなことが起こらないように、ファーストギターはとことん気に入った形、色で選ぶのをオススメします。たぶん、これからギターを買うぞ!!という方は、ネットや本でいろんな情報を調べたり、友達に相談したりとかして多くの知識を得ていると思います。そういった情報や知識の中に必ず出てくる“音の良いギター”というワード。まぁ、ギタリストならやっぱり音の良いギターが欲しくなるもの。でも、音が良いか悪いかなんていう判断は、もっとずっと後のモノなんです。沢山弾いて練習して“ギター耳”を鍛えることがまずは重要です!!


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■値段について!

ファースト・ギターの場合、一般的に3~8万円くらいの価格帯のものが手頃かと思います。店員さんも、初めて買う人には大体そのぐらいの値段のギターをススメてくるはずです。自分の予算がいったいいくらなのかをちゃんと把握し、あらかじめ店員さんに伝えておいたほうが、買える範囲内のものをちゃんと教えてくれるのでいいと思いますよ!逆に、予算も決めてない、買う素振りもない、でも質問だけはやたら多い…となると、店員さんも「冷やかしかょ!!」と思い、鬼のような形相に変わります(←ウソです)。店員さんも、真剣な相談にはちゃんと親切にのってくれますので、きちんと自分の好みや条件などをできるだけ細かく伝えましょう。
ちなみに以前、私が楽器屋さんでギターを「ほげぇ~!」っと見ていたら、横に学生服の中学生?が現れて「お母さんコレコレ!!」とひと言。すると、横にいるお母さんらしき人が店員さんに向かって「じゃコレ。カードで!」と買ったのだ。そのギターの値段を見てビックリ…56万円(滝汗)。こんな超高級ギターをポーンと買って与える親っていったいなんなの?? もちろんその家の事情を私は全く知らないので何とも言えないが…う~んどうなんだろう(笑)。当然私も「そんな家に生まれてみたい!!」と思いましたよ~(マジ)ちがうか!!


■ギターのサイズアレコレ

アコギのボデイっていくつかのサイズに分かれているって知っていました??おそらく、一般的にアコギっていうと“ドレッドノート”と呼ばれるタイプがイメージされます(いわゆるフォークギターって言われる感じがこんなん?)。実はこれって意外と大きいんですよ!もともと、ドレッドノートというのは戦艦の名前で、戦艦の中でもめちゃめちゃ大きいクラスのものだったそうです。なので、このギターが完成した当時、それまであった他のタイプのギターよりも遥かに大きいサイズだったので「こいつはドレッドノートだ!」となったそうです。それが広く普及して、現在ではまさにスタンダードという位置づけになったというわけです。なので、サイズを見るときは、ドレッドノートを基準にして、どのくらい大きいか小さいかを比べるといいでしょう。代表的なアコギのタイプをサイズの大きい順に並べると、ジャンボ・タイプ→ドレッドノート・タイプ→グランド・オーディトリアム・タイプ→グランド・コンサート・タイプの順(※ちょっと省いてますが)になります。グランド・オーディトリアム・タイプはエリック・クラプトンが使ったことで有名になり、それ以来非常に人気があるタイプです。幅も薄めで小さめのサイズなので、女性でも手軽に弾けちゃいますよ!そういう観点からすれば、自分の身長に合わせてギターのサイズを探してみるのも良いでしょう!!


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■ネックについて

ネックも重要なポイントで、太さや形状が自分の手に合っていないと非常に弾きにくく感じます。弾いている途中で引っ掛かってしまうような感覚がしない物を選びましょう。「左手が楽に動く!!」という感覚は非常に大切です。手の大きさは個人差があり、日本人と外国人でも全く違います。なので「このネックは握りやすい!!」という感覚も人それぞれ、つまり自分を信じて選んでOKです(笑)。何本かネックを握らせてもらうと分かると思いますが、それぞれ全く形状が違います。楽器屋さんではこの形状のことをネック・シェイプ(右図)と呼んでいて、楽器1本1本違うので色々と触ってみるのが良いでしょう!


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■楽器店での試奏にチャレンジ!

ではいよいよ試奏をしてみましょう!もちろんジーンズを買うときに試着するのと同様に、必ず店員さんに「コレ弾いてみたいんですけど!!」と熱い思いを必ず伝えてから試奏するのがルールです。だって試着コーナーにも行かずにその場でジーンズを履く人はいないですよね(笑)。さて、試奏時のチェックポイントは上記でもお伝えしたように「ボディの大きさは自分に合っているか?」「ネックの握り具合はどうか?」「色はカッコいいのか??」などのポイントは必ず押さえましょう。※←ここまでは1音も出さずにもっただけでチェックできます。まぁ、最初は何を弾いたら良いのかもわからずにお店でビビってしまい、頭真っ白になるかも…でもそういった経験は僕も過去にあったので、痛いほど良く分かります。そんな時に行うといいのが、ランダムにフレットをひとつ押さえて「ポーン!」と弾くだけ。これを繰り返してローフレットからハイフレットまでランダムに弾いていくと、弦がビビってないかとか、音がちゃんと出ない場所があるとか、そういった致命的なギターを発見できる事もあるのでしっかりとやってみましょう。そして、もうひとつの手段は店員さんに弾いてもらい、自分は正面で聴いてみることです。意外と冷静にそのギターのことが分かるのでこの試奏(?笑)方法はオススメです。ちゃんと店員さんに「これ代わりに弾いてもらえませんか?」とお願いしてみましょう!!きっと店員さんも頑張って弾いてくれるはずです。


■試奏時のマナー!

どこの世界にもマナーというモノがあって、最近では試奏時のマナーの悪さがよく耳に入ってくるようになりました。筆者と仲のいい店員さんなんかも「ちょっと聞いてよ!こないだこんなひどい客がきてさ~」なんて話で盛り上がってしまうこともしばしば。試奏時に必ず自分の身の回りをチェックしてもらいたいですね。まず、指輪やネックレスなどの装飾品。ゴツい指輪がガツガツ当たってネックがキズついたり、重たいネックレスが当たりまくってボディにキズがついたりとかしたらもう大変。あと次にベルトのバックルだ。これは意外と気がつかないケースが多いが、自然とギターの裏側に当たってキズが付いてしまう。そして、ピックで弾く場合にはボディに出来るかぎり当たらないように弾こう。自前のメタルピックなんてもってのほかだぞ!!(笑)さて、このように試奏時に付いてしまったキズや凹みなどは一体どうするのか?クロスで磨けば消える適度ならいいが、がっつりキズが付いてしまったモノは、いわゆるB級品として値段を下げて売らなければいけなくなるので、楽器屋さんがダメージを受けることになってしまう。さらに、もちろん悪質な場合はお客さん側の買い取り…という結果にもなるので、試奏時のマナーには注意しよう。近年、押尾コータロー的な打弦奏法も流行っているが、楽器屋さんでボディやネックをバシバシ叩くのは避けたいところだ。ホトケの店員さんでも流石に鬼になるかも(笑)

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■買った後のメンテナンス!

「メンテナンス・ザンス!!」さてこの言い回しはいったい何人のギタリストが言ったことか(笑)。いよいよマイ・ギターが家に来てちゃんと弾いてはいるものの、メンテナンスって聞いたことはあるかな?車でも、バイクでも必ずやっていますよね?
ギターもメンテナンスを怠るとあっという間に単なる木の固まりになってしまうので(笑)こまめなお手入れをするのが好ましいです。画像036A.jpg ギター購入時に付いてきた、もしくは「付けてくれ!!」と頼んだ“クロス”これはギターを汚れから守る大切な物。ギターを弾き終わったら手の脂やその他諸々の汚れを拭き落としてあげましょう!これが一番大事です。あとはギターの置き場所ですね。日本は四季があって、梅雨もあれば乾季もあります。住むには情緒がありますが、ギターにとってはかなり辛い環境です。そこで必ず気をつけてほしいポイントは、エアコンやストーブです。エアコンの風がもろに当たっている場所や、ストーブの前、そしてお風呂場などは絶対にギターを置かないでください。どんなに強靭なギターでも一発でやられてしまいます。人間もそうですが猫や犬などペットも同じで、快適な湿度は40%~60%です。湿気の多いところ高温な場所などは出来るだけ避けてください!!




■あとがき

筆者も、ファースト・ギターはせっせとお年玉を貯め、足りない分は親から借りてなんとか買うことができたのを覚えています。その時の店員さんが非常に親切な人で色々と一緒に選んでくれた記憶がありますねえ。そして、自分が本当に好きなギターを手に入れたあの喜びは今も忘れていません。本当に嬉しかったものです(もちろん今も欲しいギターを手に入れた時の喜びは同じですよ!)。そのファースト・ギターを買ったのは中学2年か3年くらいでしたが、今でも大事に自宅で弾いていますし、僕と一緒に歳を重ねてきたギターなのでもう絶対に手放せません!みなさんもどうか良いギターと出逢ってください!(^^)

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(文・野村大輔)

 

○今回撮影に協力してくれた楽器屋さんはこちら!店外観1.jpg

宮地楽器SoundPal立川店 (2F 音楽教室 MUSIC JOY 立川南)

お店のHP:http://www.miyaji.co.jp/SPT/

東京都立川市錦町1-3-21
TEL:042-524-1313
FAX:042-524-1332(営業時間内のみ受信)
sptachikawa@miyajimusic.com

営業時間
月~金 11:00-20:00
土・日  10:00-20:00

JR立川駅南口から徒歩3分の好立地にあり、平日休日問わずに近隣から多くのプレイヤーの皆さん達が訪れお店はいつも賑わっている。ちなみに宮脇さんは以前こちらの教室でもレッスンをしていたそうです。

野村大輔さんのギタースクールの情報はこちら
■今回こっそり店員役で出演してくれた宮脇俊郎さんのギタースクールの情報はこちら
■このコラムの撮影秘話はこちら!(野村さんブログ宮脇さんブログへ)

■野村さんの著書&DVDはこちらでどうぞ!(リットーミュージックHPへ)

 

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