特集・コラム

あなたの街のスクール紹介!『カイノア・ミュージック・アカデミー』

今回は首都圏を中心に、ウクレレやスラック・キー・ギターなどハワイアン・ミュージックを中心としたレッスンを展開している「カイノア・ミュージック・アカデミー」を紹介します。日本のハワイアン界の中心人物の一人であり、本場ハワイでも数々の賞を受賞している鴻池薫さんが代表を務めるスクールは、今年で創設15周年。現在、東京・駒場の本部教室をはじめ、首都圏の18ヶ所(2009年10月)で教室を開講中で、各地で多くの方々がハワイアン・ミュージックに親しんでいます。ミュージシャンとして、講師として、多忙な日々を過ごす鴻池さんに話を聞いてきました。

●カイノア・ミュージック・アカデミー創設の経緯を教えて下さい。
鴻池:実は、今年(2009年)でスクール創設してから15周年になるんです。最初は僕自身がハワイアン・ミュージックの活動をしている中で、ファンの方からの要望があり、ウクレレの生徒さん1人を教えることからスタートしました。そのうち、カルチャースクールからウクレレ教室開設の依頼がくるようになり、目黒区駒場を本拠地に、自分で教える以外に講師派遣業務も行うようになりました。スラック・キー・ギターのレッスンは現在、駒場スタジオでのみ、個人レッスンという形で行なっております。

●生徒さんはどんなかたが多いですか?
鴻池:現在、ウクレレ教室の生徒さんは350人以上受講されているんですが、年齢層でいうと20代から70代まで幅広い層の方々が来てくれています。近年は若い年代の方も増えてきました。また、ウクレレという楽器の特性かもしれませんが、始めてみるとお手軽で楽しいので長期に渡り通っていただいている方々も多いですよ。

●初心者のかたも多いですか?
鴻池:もちろん大勢いらっしゃいます(笑)。ウクレレもですが、特にスラック・キー・ギターに関してはほとんどの方が初心者です。譜面とかは読めなくても当たり前ですし、気軽に来てみてください。あと、ウチのスクールの場合だと、やっていくうちに次の楽器を始めるかたも多いですね。ウクレレを習っている方がスラック・キーも学び始めたり、ヴォーカルも始めたり…というケースも結構あります。

●実際のレッスンの進め方について教えてください。
鴻池:ウクレレの入門の方に対しては、楽器の持ち方にはじまり、コードの押さえ方、右手ストロークの仕方、基本の3コード、簡単な曲の伴奏と歌、という形で進めていきま す。だいぶ弾けるようになったところで、簡単なTAB譜を使ってウクレレソロに挑戦します。中級や上級クラスでは、実際の有名プレイヤーの演奏を参考に、 イントロから、中間部ソロ、エンディングまで歌も演奏もすべて1人で演奏出来るようになる事を目指します。チューニングに関しては、Low-Gではなく High-Gでのスタイルを基本とします。

KMA駒場スタジオレッスン風景.jpg

●スラック・キーは日本では教えてくれる場所もなかなか無いのですが、どういったところからレクチャーするのですか?
鴻池:スラック・キーに関しては、今でこそアコースティック・ギター・マガジン(弊社刊)の読者の方々にはだいぶ名前が浸透してきていると思うのですが、まだまだ認知度が低くかなりマニアックな世界です。まず、スラック・キーの基本チューニング(Gチューニング)、コードの押さえ方、要の右手のオルタネイティング・ベースを教えます。私の考案した独自のテキストとハワイで使われているテキストを併用しながら、個人のレベルに合わせて進めていきます(注:スラック・キー・ギターは個人レッスンのみ開講)。一回のレッスンの前半は基本練習、後半は課題曲を弾く練習に費やします。

 

●鴻池さん自身がハワイアン・ミュージックを始めたきっかけは?
鴻池:僕がワールドミュージック系に傾倒して活動していた時期(80年代後半)に、ハワイアン・バンドのショーの仕事をする機会があったんです。それまでは「ハワイアン??あ~プールサイドでピョイ~ンと流れているヤツかあ~?」位の認識しかなかったのですが(笑)、いざその現場に行ったら、ウクレレの名手・大輪好男さん、ハワイアンシンガー・アグネス木村さんが在籍しているバンドで、当時の最新のハワイでのスタイル(ダカイン・サウンド)を真っ先に取り入れていました。僕が思い描いていたイメージとはまったく違い、インパクトがありました。その時にアグネス木村さんが弾いているギターが「ハワイの独特のチューニング、スラック・キー・ギターというものなんだよ。」と大輪さんに教えていただき、スラック・キーの巨匠ギャビー・パヒヌイのLPを貸してもらいました。聴いてみたら、そのきらびやかで奥深いスラック・キー・ギターの音色に感動!それが僕の第一歩です。

※ちなみに、スラック・キーとは、スラック(Slack)、キー(Key)。すなわち「キーを緩める」という直訳になります。実際には、スタンダード・チューニングから部分的or全ての弦を緩めるという、独特な開放弦チューニングで、ハワイ独特のスタイルです。


●ハワイアン・ミュージックの魅力を教えてください。
魅力は、その「心」でしょうね。実は、歌の内容で「完全な別れ」というものがないんですよ。人と人の別れには様々なものがありますよね。恋人、友人、恩師との別れ、死による別れ…など。例えば、恋人との別れに対しては「今あなたとは離れるけれど、いつかまた気持ちが戻ってきて再会出来る事を信じています。」との気持ち。人の死による別れに対しては「今あなたはこの世界からいなくなってしまったけれど、あなたの香り(例えば花の香りに例える)をこの部屋の中に感じています。あなたは私の心の中に生きている。」と歌う。これらは「人の気持ちが風に乗ってハワイの島々の山に届き、またそれが自分の所に戻ってくる」という実際のハワイの島々の地形に根ざした人々の思いなのでしょう。誤解を恐れずに言うなら、日本の演歌と対局にある世界と言えるかもしれません。演歌は大好きですが(笑)。

●発表会などのイベントは開催されているのでしょうか?

KMA駒場スタジオ-レッスン室.jpg

はい、発表会は毎年開催しております。今年は11月14日(土)神奈川県民ホール(小ホール)にスクールの総合発表会がありますので、ぜひ興味のあるかたはいらっしゃってください!


●鴻池さんご自身以外に、カイノア・ミュージック・アカデミー出身で活躍しているミュージシャンがいれば教えて下さい。
アネラ(Vocal,Ukulele)という女性ハワイアンシンガーがいます。10年前に入門してきて、現在では私のバンドのメンバーでもあります。ソロ活動では、2006年リリースしたアルバム『天使の住む島』はハワイ・ミュージック・アワードで「インターナショナル・ハワイアン・アルバム賞」を受賞しました。手前味噌で恐縮ですが、日本の若手ハワイアン女性シンガーNo.1と断言します。

●最後に入学を考えている読者へ一言お願いします。

ウクレレ、スラック・キー・ギター、そしてヴォーカル。どれもハワイの音楽文化を語る上では欠かせません。とはいえ、ハワイの曲のみならず、様々なジャンルの音楽に対応できる可能性を秘めています。ぜひ初心者の方でも、その音世界を味わっていただきたいです。また、カイノア・ミュージック・アカデミーは、和気あいあいと楽しくレッスンがモットー。楽しい中にも正攻法で曖昧な部分を少しでもなくすレッスンを心がけております。ボランティアやイベント等での演奏の機会も多く、生徒さん同士もとても仲がいいのですぐにファミリーに!皆様とお会い出来る事を楽しみにしております!


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