神奈川県川崎市にある音楽大学、昭和音楽大学。短期大学部を含め、さまざまな学科を用意している同校が、09年4月からジャズコースとポピュラー音楽コースという4年制の学科を新設することになった。ここでは、プロを目指すアマチュア・ベーシストは要注目の2コースを紹介していこう。
はじめに両コースの概要についてだが、正統的なジャズに関するテクニックを軸に、サルサやラテンにおけるアンサンブルなどについても学んでいくのがジャズコース。ロックやポップスを中心に、基礎実技や表現力を養っていくのがポピュラー音楽コースとなる。どちらのコースも、ベースやギターをはじめとする専攻楽器を選び、そのパートをメインとした講義を選択していくのだ。
今回話を聞かせてくれたのは、ポピュラー音楽コースでベースの講師を担当する白船睦洋氏だ。“まずは両コースに共通する必須科目についてですが、個人レッスン、グループ・レッスン、アンサンブルの3つを用意しています”。まずは、それぞれの内容について解説していこう。個人レッスンは、講師と1対1で、スケール練習やベース・ラインの構築法など、演奏面の初歩的なことを一から学んでいく。続いて、グループ・レッスンは1クラス5〜6人ぐらいの人数で、プロが演奏する映像を見ながら、アマチュアとの違いやテクニックのポイントなどを研究していく。白船氏によると“グループ・レッスンは、同じ楽器を選択する学生同士でライバル意識を高めて、上達を促すことも狙いなんです。また、ベースのメインテナンスや周辺機材に関する内容もグループ・レッスンに含まれます”とのこと。最後にアンサンブルについてだが、ほかの楽器を専攻する学生とともにバンド形態を取り、アンサンブルにおけるベースの立ち位置などについて学んでいく。課題曲を決めて実際に合わせたりもするので、特に実戦的な内容と言えるだろう。
また、集中実習の項目に含まれる、ライヴ実習とレコーディング実習の講義にも注目したい。“ライヴ実習では、校内に併設されているイベント・スペースを利用して、実際のライヴの流れを体感していきます。入学してきた学生のなかには、ライヴ経験の少ない人もいるので、サウンド・チェック、リハーサル、本番という一連の作業のなかで、ライヴを成功させるために必要なことを学んでいくんです。レコーディング実習も同じように、CDが完成するまでの録音作業を順に行なっていきます”とは白船氏の言葉だ。
さらに、自分が専攻する楽器以外のパートの授業も選択できるので、ベースだけに留まらない幅広い知識を吸収することができるのだ。そのほかにも、指定のカリキュラムを受けることで、中学/高校の音楽の教員免許を取得できる点も大学ならではのメリットだろう。
基礎をしっかりと固められる内容とプロの現場で役に立つ実戦的なノウハウを両立することで、さまざまな環境に対応できるプレイヤーを育成している同校。なお、12月25日(木)に両コースの説明会を、12月26日(金)にジャズコースのグループ・レッスンを開催するので、興味のある人はホーム・ページをチェックしてみよう。
(2008年12月 ベース・マガジン編集部)
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