今回は神戸と名古屋に開講する音楽スクール,甲陽音楽学院を紹介しよう。1980年に設立した本校は,アメリカの音楽大学,バークリーの単位を取得することもできる日本でも数少ない学校である。そのシステムについて,学校広報の尾堂氏に詳しく聞いてみたい。
“本校は現役ミュージシャンの指導のもと,基礎をしっかりと固めるということを第一に考えています。自分の道を決めていくため半年ごとにカリキュラムを組んでいくのですが,その内容も100人いれば100通りの授業スタイルを選ぶことができるようになっていますので,各自に合わせた時間割で勉強することが可能なんです”。
グループで行なわれる理論授業やバンド形態でのアンサンブルに加え,専攻するスタイルとそれ以外の楽器を使い勉強する副専攻の個人授業によって,より多くのボキャブラリーを学べるようになってるのもポイントだ。
前述したように,バークリーと同じ内容の授業が受けられるのも大きな特徴。“交換単位として認定された授業があり,それは他校ではなかなか受けられないものです。かなり難しいレベルのものもありますが,それが日本語で受けられ単位も得られるというのは大きいのではないでしょうか”。もちろんバークリー本校に留学し勉強することもできる。一般では留学のための入試が必要になるが,同校の生徒であれば免除される。しかも成績の内容によっては,奨学金を受けることもできるのだ。ほかにも事務手続き,英会話の授業など,演奏面以外のサポートも充実している。
マイク・スターンやフランク・ギャンバレなど,海外プロ・ミュージシャンを招いたセミナーも人気の授業だ。また来年からは指導者を目指すプレイヤーのための,講師育成コースも設立される。12月後半には各校で体験プログラムも開催されるので,気になった人は学校ホームページで確認しておこう。
“好きなジャンルだけにとらわれず,音楽を幅広くとらえていただきたいと思います。音楽全体を学ぶということであれば,甲陽はいろいろな部分で対応ができると思います”。
(2008年12月 ギター・マガジン編集部)
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