ホーム > 特集・コラム > 音楽学校は、音楽を続けていくきっかけを作ってくれた
泰斗(AYABIE)インタビュー
■横浜ミュージックスクールのご出身だそうですね?
□5歳くらいからクラシック・ピアノをやっていて、音楽大学へ進学しようと思っていたんです。でもクラシックではなく、ロックに興味が出てきて、それをもっと勉強したいなと。体験入学に行ったり、資料を取り寄せて音楽学校について調べる中で、横浜ミュージックスクールは少人数制で、先生との距離も近くて密に教えてもらえそうだなと思って決めました。実際、先生もフランクに接してくれたし、同じ目標を持った気の合う仲間が多くて、すごく居心地が良かったです。実はドラム専攻だったんですよ(笑)。高校の頃からドラムもやっていたんです。専門学校の 1年の途中から、キーボードの授業も受けるようになったんです。“ピアノが弾けるなら、キーボードもやってみたら? ”って先生方に薦められて。でも、シンセサイザーはそれまで触ったことがなかったんで、学校でイチから始めた感じですね。
■ドラムが上手くなりたいと思って入学して、途中からキーボードも始めたわけですよね。卒業時にはどちらをやりたいと?
□キーボードは DIEさんが先生だったんですが、先生との出会いはすごく大きかったですね。“キーボードってすごくかっこいい! ”と思いました。 2年のときにはキーボードを中心に勉強するようになりました。
■印象に残っている授業はありますか?
□一番勉強になったのは現場研修ですね。学内のオーディションを通過すると、いろいろなアーティストのテレビ出演時のバックをやらせてもらったり、ローディー研修として先生の仕事現場に同行したりできるんですよ。貴重な経験になりました。
■プロとして活動するようになったきっかけを教えてください。
□ DIEさんからのツテで、 2年生の夏くらいに AYABIEのサポートの話を頂いたんです。その後、卒業式の前くらいに正式加入しました。AYABIEは僕がやりたい音楽で、話を頂いたときは絶対にこのチャンスを掴みたいと思いました。初めてリハーサルをやったときは感動しましたよ。メンバーはみんなオーラがあるし、スタッフが大勢いて “プロの現場 ”という感じで、味わったことのない雰囲気でしたね。
■現在、音楽活動を続けている中で、学校で習ったことは役立っていますか?
□はい。なにせシンセサイザーに触ったことがなかったですからね(笑)。それが使えるようになったわけですし、現場研修でテレビ出演を経験したことで、自分の見せ方を考えるようになって、自分のことを客観的に考えられるようになりました。ライブハウスで演奏しているだけでは気がつかったかもしれませんね。
■学校選びの注意点はありますか?
□いろいろな学校の体験入学に行って、この人に習いたいと思える先生を見つけることだと思います。やっぱり合わない先生に習っても続かないと思うんですよ。楽しくなくなってしまいますからね。高校卒業したばかりでは、音楽をやっていきたいと思っても、音楽の専門的な知識も現場経験もありませんよね。音楽学校では知識を学べて、プロで活躍している先生から、プロの現場を体感できる。それはすごくいいことだと思います。でも、学校へ行ったからって誰でもプロになれるわけではありません。学校にいけばどうにかなるという気持ちではダメでしょうね。自分も最初はそうでした。でも、先生からの紹介で学生時代にプロの方が出演するセッション・ライブに出たんです。そこは学生同士でライヴをやるのとは別の世界でした。学生同士だと、どうしても身内ノリになってしまいますが、そういうことは通用しません。そのときに“こういうときにちゃんと演奏ができて、さらにまわりの人達とちゃんとコミュニケーションがとれないと、プロとしてはやっていけないな “と思ったんですよ。それからは自分から積極的に周りの人に話しかけたりするようにしました。やりたいことがあるというのはすごくいいことだと思うんです。高校の頃、ずっと音楽を続けていきたいと考えているのは自分くらいなもので、周囲にはいませんでした。孤独を感じることもあったんですけど、今は自分を信じて続けてきてよかったと思っています。音楽を続けていくきっかけを作ってくれたのは学校なので、みなさんも勇気を持って音楽学校へ飛び込んでみてほしいですね。
© 2009-2019 Rittor Music, Inc., an Impress Group company. All rights reserved.