倉島大進（夕凪に沈む）インタビュー

■ギターを始めたのはいつ頃？

僕は遅いほうで、高校 3年からです。でもすぐにのめり込み、将来はギターで食べていきたいと強く思うようになりました。その足がかりとして、まずは専門学校に入ってみようと。TSMを選んだのは、僕の師匠の出身校だったからです。

■学校の印象はどうでしたか？

入学当初は自分の技術が未熟だったこともあり、みんなライバル心を燃やしてバチバチ火花が飛んでるんだろうなと想像して身構えて行ったんですが、まったくそんなことはなくて（笑）。フレンドリーな校風で、先生も気さくな感じの方ばかりで、とても過ごしやすかったです。ここならいろいろなことにチャレンジできそうだし、自分の可能性も見出せるかもしれないと思えましたね。

■TSMでの思い出は？

僕にとって一番大きかったのは、素晴らしい先生との出会いです。ギターの技術が高いし、人柄も尊敬できるし、言葉にもすごく説得力があって、心底憧れていました。その先生に親身に教えてもらったことで、プロへのステップを登れたと思っています。

■技術の向上が実感できたんですね？

そうです。最も手応えを感じたのは 1年次の終わり頃で、それが自分にとっての転機になりました。一時期、将来に不安を覚え、家族の心配もあって就職することを考えたんです。でも先生や周りの人たちと話す中で、“せっかくここまできたんだから、今はただギターに打ち込む時間を作っていこう”と思い留まり、そこからギターと真摯に向き合うようになりました。すると技術がメキメキ上がり、同時に人との付き合い方も積極的になりました。呼ばれたらどこにでも顔を出すなどフットワーク軽く行動していたら、人のつながりがどんどん広がっていって。

■この業界は人脈が命と言いますよね。

そうなんですよ。先生に教わったことでもありますが、どんなに技術があっても人脈がなかったら仕事にならないと気づいて、人とのつながり、関係性を丁寧に構築していったんです。そうしたら周囲からの刺激も多く、 2年次は“プロになるんだ”という覚悟を持って取り組むことができました。そうやって在学中から人脈を増やしていったことが今の仕事につながっている、という感じです。

■現在、メインで活動している“夕凪に沈む”とはどんなバンドですか？

在学中の 2013年から、学校とは別軸で地元・千葉を中心に活動しています。ボーカルのみ女性の 4人組で、叙情的な雰囲気を持っていますね。2016年3月に初めてのミニアルバムを出して、3～ 4月にライブツアーを行いました。

■自主活動とのことですが、にもかかわらず全国 12ヵ所でライブを行ったとか。

これも在学中から作ってきた人脈のおかげです。コミュニティを作り、いろいろな話をする中でバンドに興味を持ってもらい、それがライブに呼んでもらう、来てもらうことにつながって、このような状況になっています。

■バンド以外にはどんな活動を？

アニメソングのサポート演奏にも力を入れていて、TVアニメ『フューチャーカード バディファイト トリプルディー』の主題歌を歌っているシンガーソングライター、夏代孝明さんのバックを務めています。ほかにもR&Bシンガーのサポート、ジャズ系のインスト・バンドなどをやっています。

■音楽ジャンルが幅広いですね。

まだプロ活動を始めて間もないこともあり、いただいた仕事はすべて断らないようにしているんですよ。でも、ジャズ的なアプローチは正直あまり得意ではないので、学校で学んだことを見返して練習し直してみることもあります。学校の学びをベースに、それを実際の現場で昇華していってる感じです。

■今後の展望は？

バンドとアニソンのサポートの両軸から、マルチに活動していけるギタリストを目指したいと思っています。まだ 22歳なので、下積みと言えば下積みなのですが、今与えられている環境はすごく恵まれていると感じます。その環境はすべて人とのつながりによって作り出せたし、作ってもらったし、自分の周りにちゃんとできていた。本当、TSM のおかげですよ。でもそこに甘んじることなく、挑戦し続けていきます。

「世界再生計画」
夕凪に沈む
※ライブ会場にて販売