特集・コラム

音楽を志す仲間との出会いが活動を続けていく上での助けになる

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e-ZUKA(GRANRODEO) インタビュー

■どのような中学・高校時代を過ごしましたか?

キッスやランディ・ローズに憧れて、ひたすらギターを弾いてました。田舎でスタジオがなかったから、練習場所はもっぱら友達の家。でも苦情が来るんで、廃校になった小学校や近所の寺を借りたりもしてました。

■ミューズ音楽院に入ったいきさつは?

ギターばかり弾いてたらいつの間にか高3になってて、大学受験をしようにも時すでに遅し、かといって就職もイメージできない。そんなとき、兄が電気関係の専門学校へ行っていたので、音楽の専門学校もあるんじゃないかと調べて見つけたのが、当時、唯一の認可校だったミューズ音楽院でした。自分がプロになるなんて想像すらしてなかったんですけど、なんとなく“自分の道はこれかな”と思ったんですよ。

■専門学校で音楽を学んだ思い出は?

最初の授業の日、どれだけの腕利きが集まっているんだろうと思い、意気込みながら行ったら、自分が一番上手かったんですよ。“オレはいける”って勘違いしましたね(笑)。でも弾くこと以外の知識はなかったから、譜読みや記譜、楽曲分析などの授業はすごく勉強になりました。僕はポピュラー科でしたけど、ほかの学科の仲間と交流できたのも良かったですね。ジャズやフュージョンなど、自分の知らないジャンルを教えてもらって、かなり影響を受けました。

■卒業後はどんな活動を?

学校からの紹介で矢島賢さんのアシスタントについたのが 21 歳のとき。その後、あがた森魚さんのバックを務めたのがプロとしてのスタートです。そこから人脈が広がっていって、アニメ関連の曲作りやアレンジの話をもらうようになりました。実はそれまでほとんど作曲の経験がなかったんですよ。それがいきなり曲作れ、アレンジしろって言われて、猛勉強しました。しかも翌日が締切っていうような無茶なスケジュールが続いて、そこでかなり鍛えられましたね。依頼が来ると胃が痛むんですが、それでも自由にやらせてもらえるのが楽しくて、ディストーションの効いたギター・サウンドを入れたアレンジをしていたらそれが自分のスタイルになっていった。GRANRODEOもそんな仕事の中から生まれました。

■GRANRODEO は結成 11 年目を迎え、武道館規模のライブを何度も経験していますが、大舞台から見る景色とはどんなものなのでしょう?

おこがましい話ではありますが、会場の大きさというのは慣れてしまうもので、僕はあまり意識していないです。もちろん初の武道館は意気込んで立ちましたけど、夢って叶うとそれが日常になってしまう。そんな中で僕が向き合ってるのは、ギターなんですよね。いつも自分が納得できるプレイをしたいし、カッコよく決めたい。そこは武道館だろうと小さいライブハウスだろうと同じなんです。
武道館でやれるからって上手いとは限らないし、人気=実力ってわけじゃない。僕は実力がほしいんです。もっと自由にギターを弾きたい、それが夢です。

■では、飯塚さんにとってライブとはどういうものですか?

生きてることを実感できる場所ですね。僕は曲がポンポン作れるタイプじゃないので、作曲には毎回、苦しんでいます。でもその苦しみを経ないとセールスもないし、ライブもできないわけです。だからツアーに出てお客さんの歓声や歌声を聴いたときは、心から“あーよかった!”って思う。報われますよ、本当に。

■ミューズ音楽院は“ライブ主義”を掲げていますが、それについて思うこととは?

最近はWeb の動画やアプリで音楽を気軽に聴けるようになったけど、それと圧倒的に違うのはやっぱり生のライブです。ミュージシャンにとっては本当の力が試される場。僕もいまだに緊張するけど、観客と一体になれるあの場は、音楽活動最大の喜びだと思います。ライブ主義、大賛成ですよ。

■最後に、音楽学校の進学を考えている人たちにアドバイスをお願いします。

通信教育や教則本など音楽を学ぶ手段はいろいろあるけど、学校へ行く一番の利点というのは、人に会える、人とつながることだと思いますね。さっきのライブもそうですけど、そこにはネット検索で引っかかったワードをクリックするのとは違う世界が広がっています。自分一人で探していても辿り着かなかったようなインプットが、学校にはあるんです。音楽を志す仲間との出会いが良い刺激になるし、自分が活動を続けていくうえでの助けになることは間違いありません。

【e-ZUKA(GRANRODEO) Profile 】
本名、飯塚昌明。1967年、新潟県出身。3歳上の兄の影響を受け、幼少の頃からギターを持つ。ミューズ音楽院卒業後にプロ・ギタリストとしてのキャリアをスタート。作/編曲家としても活躍し、栗林みな実、林原めぐみなどアニメ関連の作品を数多く手がける。2005年に声優の KISHOW(谷山紀章)とユニットGRANRODEOを結成。これまでにアルバム 6枚とシングル24枚を発表している。
http://www.granrodeo.net/
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「TRASH CANDY」
GRANRODEO
ランティス
LACM-14465(通常盤)