ホーム > 特集・コラム > ライバルを意識することで自分の個性を見つけられる(山中綾華)/続けていけば、その先に面白い世界が広がってくる(ピエール中野)
尚美ミュージックカレッジ専門学校 卒業生アーティスト・インタビュー
(誌面掲載インタビューバージョン)
ピエール中野(凛として時雨) × 山中綾華(Mrs. GREEN APPLE)
■ドラムを始めたのはいつですか?
中野 中学3年から触り出して、本格的なスタートは高校1年のとき。レッスンに通ってひたすら基礎練習をしてました。並行してバンドもたくさん組んでましたね。
山中 私は高校で軽音楽部に入ってからです。先輩に叩き方を教わって、自分で耳コピして曲を覚えて、バンドで合わせてみる、というのを繰り返していました。基礎を学んだのは SHOBIに入ってからです。
中野 へぇー、そうなんだ。ミセス(Mrs. GREEN APPLE の略称)の曲を聴いて、基礎が備わってるなって思ってたんですよ。
山中 それはうれしいですね。ミセスはSHOBIに入る前に結成して、学校とは別軸で活動していたんです。もともと独学なので、両手のばらつきがすごかったし、リズムも一定のパターンしか知らなかったから、 SHOBI で学んだことをすべてバンドに生かしていました。
中野 山中さんはリズムのバリエーションが幅広いし、ドラミングも安定してる。この若さでこんなに叩けるんだ!って感心しましたよ。山中 ありがとうございます。全部 SHOBIの学びの賜です(笑)。
■高校時代から音楽の道を志していたおふたりですが、進学先に SHOBIを選んだ理由は何ですか?
山中 体験入学で、楽譜を見ながら自分なりにアプローチしていきましょう、というアンサンブルの課題をやったんです。そのとき、自分が身につけたいと思っていることと教えてくれることが近いな、自分に合っていそうだな、と感じて。
中野 僕は教わりたい講師がいたことが決め手でしたね。あと、カリキュラムが濃いし設備が充実していて、これは使いがいがある、と思いました。
■SHOBIで学んで良かったこととは?
中野 僕の場合、それまでのレッスンやバンド活動で基礎や実践的な技術はある程度身についていたので、SHOBIではいきなり飛躍した練習メニューを与えられたり、ラテンなど幅広いリズムを叩かされたりしました。そういうのは、東京という音楽の最先端の地で、現場に密着した教育をしている場所でないと得られないことだったろうと思いますね。ここで習得したテクニックが、自分のドラミングにしっかり反映されています。
山中 ドラムとベースだけで曲を表現することを学ぶアンサンブルの授業が、今の活動にすごく生きていますね。リズム隊だけでグルーブを出すのってけっこう難しいので、この授業を経験できたことは大きかったです。わかりやすいアプローチというものも考えさせられましたし。
中野 バンド・アンサンブルにおけるアプローチは、授業で学ぶのがとても重要です。指導者がいるほうが圧倒的に上達が速いんですよ。どんな一流ドラマーでも、現場で敏腕ミュージシャンに鍛えられて第一線で活躍できるようになっていくわけで、アンサンブルの授業はいわばその疑似体験をしているようなもの。ちゃんと密着しているんですよ、授業とプロの現場が。でも学生のときには気づかないものなんですよね。
山中 そうですね。私も“コレ役に立つの?”って疑ってる部分がありました(笑)。
中野 プロの世界に身を置いたときに初めて、これって授業の応用だ、本当に密着してたんだって気づくんですよ。
■学校で音楽を学ぶことには、いろいろなメリットがあるんですね。
山中 私は負けず嫌いな性格なので、周りの友達の実力を知って勝手にライバル視していたところがありました。でもそうやって相手を意識することで自分の個性を見つけられるし、上を目指せるし、お互いに高め合える。これも学校だから得られる経験かもしれませんよね。
中野 求めれば求めるだけ受けられるという環境は、学校ならではですよ。しかも現場に直結しているので、そういったメリットは最大限、生かしてほしいと思います。それに、この世界は人脈が命。音楽業界にはSHOBI 出身者がけっこう多いので、現場でつながることもよくあります。もし楽器で入学して、途中でプレイヤーになることを断念したとしても、音楽業界への就職の道は開けているんです。だから学校も音楽も辞めちゃダメですよ。続けていけば、その先に面白い世界が広がってくるから。
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