ホーム > 特集・コラム > 学校内で完結せずに外へ出て行った方がいい。卒業したら自分でサバイバルしなくてはいけないですからね。
ASIN インタビュー
■音楽を始めたきっかけは?
□高校 1年のときにHARDCORE(TECHNO)を YouTubeで聴いて“これはヤバい!”と。自分でもやってみたいと思いました。実際に曲を作るようになるには 2年くらいかかるんですが、それまではインターネットでHARDCORE(TECHNO)の曲を聴き漁ったり、機材をちょっとずつ買い揃えたりしていました。それで高 3くらいから安い機材で簡単なリズムを組んだりする程度でしたけど、曲を作るようになって。
■音楽学校へ行こうと思ったのはなぜ?
□進路を考えたときに、まだ就職はしたくないなあ……ならば専門学校かなと(笑)。僕は日本工学院の八王子校に通っていたんですけど、家から近かったのと、友人や先輩の間でもジャンルレスでいろいろなことが学べると評判になっていて、ジャンルに関係なく学べるのはいいんじゃないかと思って、決めたんです。
■いろいろな学校に見学に行ったりは?
□してないです(笑)。僕は体験入学も受けずに日本工学院に決めてしまいましたが、みなさんには体験入学をおすすめします。僕は最初のうち、自分の教わりたいことと、授業内容がちょっとズレていて苦労したので。学びたいことの優先順位ってありますよね。それをしっかり考えて学校を選んだ方がいいと思います。でも、日本工学院にしてすごくよかったです。機材も充実していましたし、何より講師のみなさんに教わることが多かった。特に当時の担任の先生の言葉は熱かったです。学生の人数は多いですが、一人ひとりに真剣に向き合ってくれました。一番印象に残っている授業はホームルームですから(笑)。事務連絡の時間に思われますけど、貴重な経験談を話してくれたりもしたんですよ。
■学生時代から音楽で生活したいという気持ちはありましたか?
□そういう気持ちはあまりないですね。音楽で伝えたいことがあるから続けているだけで、お金を儲けるとかっていうのは二の次。昔のヒップホップの DIY精神みたいな気持ちはすごく強いですね。実は、学校を卒業して普通に就職して働いているんです。というのは、自分でちゃんと生活していれば、誰にも文句を言われないじゃないですか。その上で音楽をしっかりやっている方がいいんじゃないかなと思います。僕は海外のレーベルからもリリースしているんですが、ゆくゆくは向こうに住んで活動したいんです。日本は HARDCORE( TECHNO)のシーンがまだ小さくて未熟ですが、欧米ではしっかりとビジネスになっている。そういう現状もあるので、音楽学校を卒業するときに先生に相談したんですよ、海外で活動したいからお金を貯めるために就職したいって。“お前にはそれが向いていると思うから、最初はしっかり働いてお金を貯めて、それで向こうで活動するのはいい”って賛成してくれたんです。そう思って働き出したんですけど、今は仕事の方も面白くなってきています(笑)。
■海外のレーベルとの契約はどのように?
□直接音源を送って“リリースしてくれないか?”という感じですね。HARDCORE( TECHNO)のレーベルは個人経営的なところも多くて、やっぱり DIYという感じなんです。いろいろなレーベルがある中で、毎回、自分のコンセプトに合うところにオファーしています。今は逆にいろいろなレーベルから“ウチから出さないか”と話が来ることも増えましたね。今は日本を中心に海外のアーティストも所属している Superbad MIDI Breaksというレーベルでやっているんですけど、そこは日本の他のレーベルとは違っていて、すごくクールなものを発信している。なので、日本でできることもあるんだなという気持ちにもなっています。
■現在、音楽活動をする上で、学校で習ったことが役に立っていると思うことは?
□音楽的な面ももちろんなんですけど、仕事に結びつく考え方や活動の仕方、そしてビジネス・マナーや社会性といった、いち社会人として大切なことも学校で教えてもらいました。
■では最後に音楽学校進学を考えている人にアドバイスをお願いします
□音楽学校で学ぶことは多いですが、そこで完結しないで、学校外にもどんどん出て行った方がいいと思います。世の中に出ると理不尽なことも多いし、悪い大人もいる。いろいろな波風があるわけで、それを乗り越えられない人が多いように思います。卒業したら自分でサバイバルしなくてはいけないですからね。学校の居心地の良さに甘えずに、外にも出て行った方がいいと思いますね。
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