ギルド（Band）インタビュー

●ギルドのメンバーは全員が大阪スクールオブミュージック専門学校の出身ということですが、バンド結成のきっかけは？
（宏一）最初の授業で、ギターのYOSHIHIROに“一緒にやろう”と声をかけたのが始まりです。ボーカルのRYUICHIは当時違うバンドをやっていて、レコード会社からデビューの話が来るぐらい調子が良かったんですよ。でも俺とやったほうが売れるのにって（笑）、影からアプローチして引き込みました。正式に結成したのは2009年、1年生の秋ぐらいです。

●当時の学校の様子を教えていただけますか？
（宏一）僕らの代は活気がありましたね。やる気があってうまい人が多い代は自然と活気づきますし、それは入るときの運ですよ。その中でも特に俺は負けず嫌いだったので最高の人材を揃えたくて、今のメンバーが集まったときは完全に周りに勝った、来年にはデビューかと思いましたね（笑）。学校自体、音楽業界に太いパイプがあったので、本気で学生時代にメジャー・デビューできると思ってました（笑）。
（RYUICHI）過信だと思うんですけど、みんな自信はあったんですよ。オーディションを受けたら絶対に受かると思っていて、でもことごとく落ちていましたけどね（笑）。

●今の事務所と契約したのは在学中ですか？
（RYUICHI）卒業して2 年さまよってからです。当時はどうしたら売れるのかがまったく分からず、いいライブをしたら売れるものだと思って月1回京都でライブをやっていたんです。動員なんか20～30人程度で、しかも全部友達ですよ。そんなことをハタチから22歳まで続けていて、あるとき“あれ？このままやったらプロになれないんじゃない？”と気づいて。そこで今の事務所の会長さんに、150人集めるワンマンライブというのに来てもらったんです。会長とは学生時代にお会いしたことがあって、僕らのことを気に入ってくださっていたので、名刺だけはずっと持っていたんですよね。

●そのライブからすぐ契約に至ったんですか？
（宏一）そうですね。終演後に“今日のお客さん全員友達だよね？”ってすぐにバレましたが（笑）、でも友達を150 人呼んでいる君たちもなかなかアメージングだよね、と。そこからうちでやりますか、という流れになりました。

●事務所と契約して、自分たちだけでやっていた頃と何が決定的に違いますか。
（TAKUMA）ライブの組み方やCD の売り方といったバンドのプロモーション方法を教わったことが一番大きいですね。初めて現場に出たときは、学生の延長で行ったのでイロハが分からずめちゃくちゃ怒られたんですよ。先輩との付き合い方や対応、挨拶とか、基本的なことさえ分からなくて、そういうことはできれば早く教わりたかったですね。

●では、CDデビューして嬉しかったことは？
（YOSHIHIRO）バイトを辞めたときですね。プロは明確にどこからという線引きがないので、バイトをしなくても食えているかというところで判断すると思うんですよね。そこを越えたときは嬉しかったですね。欲しい機材が銀行の預金で買えるんだって感動しました。

●CDデビューも全国ライブも経験した今、次に目指していることは何でしょうか。
（YOSHIHIRO）今はオリコンシーンにバンドって少ないですよね。だから僕らの世代が憧れたX JAPANさんやGLAYさん、LUNASEAさんのように、ブームを牽引できるようなカッコいいバンドになれたら嬉しいですね。

●最後に、プロを目指している若者に向けてメッセージをお願いします。
（宏一）僕らは常識をまったく知らずに22、23歳までいってしまったので、少しでも早く常識を教えてくれる現場や人に出会えたらいいですね。また、現実は違うということを早い時点で分かったほうがいい。学校を卒業したときに心が折れてしまった人がたくさんいたので、甘い現実は誰かが砕いてあげたほうがいいんでしょうね。学校は学校、現場は現場なので、学校はあくまでも下準備をする場所。現場に出ないと分からないことは山ほどあります。
（TAKUMA）先生、友達、関係者、メンバーなど、自分にとって有意義な人脈を見抜く力は身につけておきたいですね。
（YOSHIHIRO）自分の得意不得意をしっかりと見極めてどう補うかが大切。またそれを補ってくれる仲間を見つけてもらいたいです。
（RYUICHI）常に音楽のことを考えて生活してみてください。バイトをするにしても、機材を買うためにバイトをするんだと思うと、気持ちも変わるじゃないですか。常に音楽のことを考えながら将来に結びつく人間関係を築いていけば、きっと道が開けると思います。

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