特集・コラム

Mr.Colorのアドリブ・ギター講座 「たかがペンタ、されどペンタ」

皆さん、はじめまして! 水上 聖です。この講座では、ギター・アドリブをテーマに、初心者から上級者まで楽しめるように「ペンタトニック・スケール」に注目しました。「たかがペンタ、されどペンタ」というのが、この講座のメイン・テーマです。

ここでは皆さんに勉強していただくにあたり、「読みやすさ・勉強しやすさ」を考えて、Mr.Colorに扮し、ステップごとに4色の部屋を作りました。1日ですべての部屋を駆け抜けても構いませんし、ゆっくり部屋ごとに楽しんでいただくのもOKです。

私のオススメは、一度「すべての部屋を見学してみる(流し読みする)」ことです。音楽理論が分からなくても大丈夫な内容ですから、とても読みやすくなっています。最後まで読んでみると「ペンタだけで、こんなことがいろいろできるようになるんだ!」とビックリしますよ。それからは、何度も読み返すことになるはずです。 それでは、一緒に勉強していきましょう!

01. GREEN ROOM 〜ペンタトニックって何?〜
02. YELLOW ROOM 〜基礎知識とトレーニング〜
03. BLUE ROOM 〜応用知識とトレーニング〜
04. RED ROOM 〜入学特典が貰える課題にチャレンジ!〜

水上 聖プロフィール
アンミュージックスクールのギター科を特待生で修了。在学中はジャズギタリストの鈴木康允氏に師事したほか、創立者である加古隆氏の作曲セミナーにも参加し、優秀な成績を修める。卒業後間もなくANの講師として招かれ、ロック、ジャズ、ポップスからクラシックまで、幅広い知識とテクニックで後進の指導を行っている。また、本講座の内容からもわかるように色彩学に関しても造詣が深く、自身の服装でもそれを実践していることから「ミスター・カラー」の異名を持つ。

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まずは「グリーン・ルーム」です。ここでは、リラックス効果を生み出すカラーをテーマにしています。最初の部屋ですから、ペンタトニック・スケールについての解説だけです。難しく考えずに「ちょっと読んでみようかな」程度の気持ちでいきましょう。

 

<はじめに>

ペンタトニック・スケール(以下、ペンタ)というと初歩的なイメージがありますが、実はこのスケール、さまざまな応用もできて奥深いものなのです。メジャーおよびマイナー・スケールから5音を取り出し、普遍的なシンプルさを持つため、フィンガリングも容易で、感情移入もしやすいスケールと言えます。また調性内でキャラの強いファとシの2音を抜いてあるため、コード進行に左右されず自由にフレージングしやすいことも特徴です。

このように主要なポジションを適当になぞっているだけでもフレーズができてしまいます。

同じフレーズがこれ以外のさまざまなコード進行でも成立します。

<ペンタのポジション>

ここでペンタのポジションを確認しておきましょう。メジャー・ペンタは「ド・レ・ミ・ソ・ラ」、マイナー・ペンタは起点が変わって「ラ・ド・ミ・レ・ソ」という内容で、この2つは中心音こそ違いますが、全く同じものと扱われます。ギターの指板上では、各弦に2音ずつの配置となる次の5つのポジションがあります。

A・マイナー・ペンタの場合

注)上記の階名のうち、マイナーペンタの場合の主音は「ラ」である。

このうち特に第2と第5の2つのポジションは、Amのパワー・コードにリンクしており、集中的に使われます。

<ポジションの移動>

各ポジションは約2オクターブの音域を持つので、それぞれの中だけでも十分にフレージングできますが、隣接するポジション同士を行き来することで、さらに音域を上下に増やし、フレーズを発展させることができます。このとき、全音幅の音の部分(ド→レ、レ→ミ、ソ→ラ)でスライドさせながらポジション移行するのが定番の手法で、中でもレ→ミで上行させる動き方が最もよく使われます。

 

2番目の部屋は「イエロー・ルーム」です。イエローは、意欲や向上心を高める色と言われています。脳を刺激し、集中力が高まってきますから、表現力を高める知識&実践的なトレーニングに挑戦してもらいます。頑張っていきましょう!

 

 

<チョーキング・ポイント>

ギターのフレージングにおいて重要な表現力となるのがチョーキングで、文字通りに楽器を“歌わせる”ニュアンスが出せます。ペンタでは先ほど述べた全音幅の部分(ド→レなど)が一般的ですが、ラ→ド、ミ→ソで1音半チョーキングをすることもあります。代表的なポジションで全音チョーキングを頻繁に行うのは以下のような箇所です。

<ペンタの付加音>

ペンタの本体(=5音)に対して、装飾効果を持った音を付け加える手法も多く見られます。

(1)ブルー・ノート
レとミの間の半音階の音で、ブルージーなニュアンスを出せます。


(2)テンション・ノート
ラの全音上、つまりシにあたる9thと、ミの全音上でファ♯にあたる13thがあります。

 

難関の「ブルー・ルーム」です。ブルーは、知性や冷静沈着を表すカラーになります。ここでは、上級者向けの高度な内容になりますので、理解しつつ実践するのは非常に困難ですが、落ち着いてひとつずつ達成していきましょう。この部屋を充分に楽しめれば、ギターが今まで以上に楽しく弾ける様になるでしょう。

 

<コード・スケールとの関係性>

ここから先は上級者向けにペンタの応用例の一部を紹介していきます。まずはドリアン、フリジアンといったチャーチ・モードとの関係性についてです。これらは、短い尺で用いるとダイアトニック・コードのコード・スケールとなるわけですが、ロクリアンを除く6種のスケールからはメジャーまたはマイナー・ペンタを取り出すことができ、それによってコード感を強調したフレーズを作りやすくなるのです。

<ペンタによるメカニカル・サウンド>

いわゆる王道フレーズや、一般のポップスでのフレージングでは、隣接する音を行き来してなめらかな印象を与える部分が多いのですが、こうした「普通のフレージング」をマスターしてしまうと、それに飽き足りなくなる人も出てくると思います(笑)。そうした場合、ペンタの中で意図的に跳躍音程(音飛び)を多用すると、ランダム感/メカニカル感が出せることがあります。音程の知識のある人は、ペンタに多く含まれる完全4度や完全5度をなるべく意識的に並べてみてください。きっと斬新で硬質なイメージが作れるはずです(Ex-8)。

こうしたフィーリングを、さらに別のスケール内に含まれるペンタに応用するのも効果的です。

<その他の応用法>

ペンタを活用する手法としては、このほかにも以下のようなものがあります。
・メジャー・キーのケーデンス部でのブルース・ペンタ・フレージング
・ペンタの転回形を独立したスケールと考える手法
・ペンタのユニットによるアウト・フレーズ
これら以外にもまだたくさんありますので、ぜひ皆さん自身で探求してほしいと思います。

 

※各課題用の音源がありますので、ダウンロードして練習して下さい

最後は挑戦の部屋「レッド・ルーム」になります。レッドは、力強さやポジティブさを表しますので、課題にチャレンジするには最適なカラーです。

ここでは皆さんに、3段階の難易度をつけた課題に挑戦してもらいます。課題の内容は「ペンタを使ったフレーズ。しかも、TAB譜なしの楽譜」となっています。これまでの部屋を勉強した皆さんであれば、きっと達成できるはずです!

各レベルの音源を聴いて、それに合わせて楽譜通りに弾いてみてください。ただ、音符をなぞるだけでなく、ビブラートなどで歌わせるようにしましょう。1音変化する場所などでは、H.O.(ハンマリング・オン)などを用いても良いと思います。例えばLevel1のチョーキング指定の場所は、H.O.やSlide(スライド)でもかまいません。

Level 1

 

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Level 2

 

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Level 3

 

Level.3の音源ファイルはこちら

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【特典内容】
Level 1 ギター弦 プレゼント
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Level 3 入学金全額免除

※入学特典になる為、入学予定者のみを対象とさせて頂きます。

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