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「演奏動画」の上手な撮り方、教えてください!

東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校

東京スクールオブミュージック専門学校渋谷の先生にお尋ねしました

コンテストへの応募では、動画をネットにアップするケースが増えていますよね。当然、良い音でかっこいい動画を撮りたいところですが、音がひずんでいたり、歌がよく聴こえなかったり、ずいぶんと遠くの方に見えていたり……。そこで、TSM・TSM渋谷の北野正人先生と生徒の皆さんが、バッチリ決まる演奏動画の撮り方を教えてくださいました!


その① 撮影にはiPhoneがオススメ!

バンドの演奏を録るならiPhoneがオススメですよ。僕はiPhone 7を使っていますが、いい感じに音が録れるんです。

バンドの音はとても大きいので、家庭用ビデオ・カメラのマイクでは音がひずんでしまいがちです。その点、最近のiPhoneの動画撮影機能には大きな音量を抑えてくれる「リミッター」という機能が付いているので、きれいに録れます。

家庭用ビデオ・カメラなら、マイクの録音レベルを調節できないかを調べてみましょう。

なお、校則でスマホの持ち込みを禁止されている場合もあると思いますが、撮影の日だけ特別に認めてもらえるように先生にお願いするか、顧問の先生がお持ちでないか相談してみるとよいのではないでしょうか。 

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その② カンタンに音が良くなるコツ

まず気をつけてほしいのがヴォーカル・マイクの持ち方です。よくマイクの下半分を手で覆うように持つ人がいますが、実はあれはNGです! マイクの構造的に下半分を手で覆ってしまうとハウリングしやすくなるので気をつけてください。

また、音をクリアに録るためにはギター・アンプやベース・アンプを壁にくっつけた方がいいですね。アンプの背面からも音は出ているのですが、この音が前から出ている音とぶつかりあうと、音が小さく聴こえてしまうことがあるんです。理由を説明すると長くなるので省略しますが、気になる人は 「位相」 という言葉で検索してみてください。

次に、バンド全体の音量バランスをとるときは、ドラムとベースから始めください。ベース・アンプのEQはフラットな状態から始めて、ドラムと音がかぶっている部分をEQでカットしていきます。つまり、引き算で音を作っていくのです。

ヴォーカルはハウリングを起こす直前までミキサーで音量を上げたら、ハウりそうな帯域をEQでカットします。これでさらに音量を上げられるようになります。

キーボードは内蔵のリバーブをオフにして音作りしましょう。

そしてギターが音を出すのは最後です。その他の楽器のバランスが出来上がった後に足していくと、音が大きくなりすぎるのを防げます。

ギターの音作りで気をつけてほしいのは聴く位置、つまりギタリストの立ち位置です。Marshallなどのスタックアンプは1〜1.5mくらい離れて聴くことを想定して作られています。アンプの近くで音作りしていると音が小さく聴こえてしまって「実は爆音で鳴っていた」ということになりがちです。

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その③ 「菱形」でヴォーカルを目立たせる

オーディションに審査員として参加してきた経験から言って、バンドの映像はメンバー位置が近い方がいいですね。離れていると雰囲気が伝わってこないんです。人が密集していた方が画的にも派手になり、最後まで見てもらえる可能性が上がると思います。

立ち位置のポイントは、ヴォーカルが一歩前に立って「菱形」を作ること。ベース、ヴォーカル、ギターが横一線に並んでドラムが後ろにいる「逆三角形」だと見所が分散してしまって、ヴォーカルを見てもらえなくなる可能性もあります。

また、見ている方は顔や表情をよく見たいので、雰囲気重視で照明を暗くするよりも明るいところで撮影した方がいいですね。アクションも抑えめにして、演奏に集中しましょう。その方がテクニックもしっかり出せると思います。 

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※撮影に協力してくれた在校生の皆さん。ベース:サトシさん(Re:volver)、ドラム:吉野悠平さん、ヴォーカル:影山葵さん(Re:volver)、キーボード:ToMoさん(Blesend)、ギター:堀越つかささん

いかがでしたか? プロの世界でもセルフプロデュース/セルフプロモーションの重要性は年々増しています。早いうちから自分たちの見せ方を身につけておいて損はないですよ。

TSM・TSM渋谷では、2018年春から「デジタルミュージシャンコース」が新設され、歌や演奏のレッスンに加え、デジタル技術や映像編集が学べるようになります。ぜひWebサイトでチェックしてみてください。

【北野正人(Masato Kitano) Profile】
day after tomorrowのメンバーとして、第44回レコード大賞新人賞受賞、第17回日本ゴールドディスク大賞ニューアーティストオブザイヤー受賞、有線放送大賞2003ゴールドアーティスト賞受賞。ZARD / タッキー&翼 / 山下智久 / テゴマス / 玉木宏 / 神田沙也加 等々、数々の楽曲提供やサウンドプロデュースを手がける。現在、TSM・TSM渋谷にて講師を務める傍ら、LUV K RAFTのメンバーとして活動中。

公式サイト:http://www.fxxkyou.jp

【協力】

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開校以来、音楽&エンターテイメ ント業界に必要とされる「即戦力」となる人材を業界とともに育成する「産学連携教育」をコンセプトに、独自の教育システムでデビュー・就職を実現する専門学校です。プロとして活躍する176名もの講師を擁し、66もの多岐にわたるコースが用意されている同校(P40参照)。来春には歌唱や演奏に加えデジタル技術や映像編集も学べる「デジタルミュージシャンコース」やバークリー音楽大学に編入するための「バークリー留学コース」も開講されます。

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