ギターの製作やリペア（修理）の技術を、世界的なギター・メーカー「ESP」のスタッフから直接指導を受けられる学校として評価が高いESPギタークラフト・アカデミー（以下、GCA）。東京、大阪、名古屋、仙台と全国に４箇所あるGCAのうち、今回は楽器の聖地・御茶ノ水にある御茶ノ水校に潜入！　そこでは真剣、かつ楽しいギター作りの授業が行われていました！　「ギターって自分で作れるの？」と思った方、必見です!!

取材／文：井戸沼尚也
撮影：八島 崇／岡見高秀（※）

知識ゼロから専門家に成長できる！
夢を叶える自由なコース設定

GCAでは原則的に「新入生は全員初心者」という前提でカリキュラムが組まれているので、事前の知識はゼロでもOK！　就業期間も１年〜３年まで選べ、プロのギター・クラフトマン、リペアマンを目指す人から、「世界に１本の自分だけのギターを作りたい」という人まで、各自の夢に向かって自由にコースを設定できます。

石井晴也さん
（２年：アコースティック・コース）

自由に好きなギターを作れるのが楽しいです！

石井さんは、アコースティック・ギターのネックとボディを、「蟻溝工法」と呼ばれるジョイント方法で接続中！　精度の高さが問われる重要な工程です。

「ESPのギターって、見れば分かる通り、とても丁寧に作られていますよね？　その技術を学べるところがGCAの魅力です。それから授業で作る作品の自由度が高く、好きなギターを作れるのも楽しいです！」

臼倉崚さん
（2年：エレクトリックギター&ベースコース）

今、７本目のギターを作ってます

ギターの弾き心地や音に大きくかかわる、ネック・グリップ、ボリュート、ヒールの成形中！　グリップは薄いほどテクニカルなプレイに向くが、削りすぎるとトラスロッドが出てきてしまうため、限界にチャレンジしている臼倉さんも「気を使います」とのこと。

「入学して一番最初の授業は、かんなの研ぎ方から始まるんです。だからギター作りの知識がなくても大丈夫！　僕は２年で６本のギターを作り、これで７本目です。ギターが好きな気持ちがあれば、いろいろなことを学べますよ！」

井出英雄さん
（2年：リペアコース／現3年エレキギター製作コース）

ネック折れ修復の授業は、まず折るところから

リペアコースの授業でネック折れを修復！ ぱっと見た感じ、ネックが折れていたことさえわからない完璧な修理。なんでも、折れた部分のあて木に、元の木と同じ木目を描くんだとか。

「世界のプロミュージシャンが使っているESPの学校ということでGCAに入学しました。ネック折れ修復の授業では、直すためにまずネックを折るんですが、自分が作ったサンプルネックはどうしても折れないので、二人一組になってお互いのネックを折るんですよ（笑）」

矢野稜晴さん
（１年：製作修理本科）

もともとバレエ・ダンサーでした

ネック材と指板材の、接着後の処理をしている矢野さん。ネック材側をわずかに大きくとって接着し、接着後にコンマ数ミリの単位でネック材を削って成形するのだそう。

「僕はもともとバレエ・ダンサーだったんです。でも怪我で断念せざるを得なくなって、“何か、舞台にモノを残したい”と思ったんですね。同時期に、欲しかったESPのギターが240万円だとわかって「自分で作った方が安い」と思い（笑）、GCAに入りました。ここには音楽の話ができる人しかいないので、本当に楽しいです！」

小山内玲音さん
（１年：製作修理本科）

体験入学をお勧めします！

バインディングを貼ったネックにフレットを打ち込むため、フレットの下処理をしている小山内さん。木材がギターの形になって、弦を張って弾く瞬間が最高の喜びだという。

「なんでも自分の目で見て判断することが大事だと思うので、GCAに興味がある人は、とにかく体験入学してみることをお勧めします。学校の雰囲気や、ギター好きだらけの周りの学生の感じは、体験してみないとわかりませんよ！」

ギターを弾けなくても、ギターは作れます!!

▲ESPギタークラフト・アカデミー講師　水島亮二さん

Tokyo 7th シスターズともコラボ

大人気のアイドル育成リズム＆アドベンチャーゲーム、「Tokyo 7th シスターズ」に登場するバンド4Uの、九条ウメのギターと鰐淵エモコのベースを、ESPギタークラフト・アカデミーが３次元化！　もちろん、演奏できるんですよ！　さすがの技術力！

『軽音マガジン 2018 Vol.4』 トップ・ページへ