特集・コラム

Interview 大森元貴/Mrs. GREEN APPLE(1ページ目)

メロディと歌詞は同時に出てきます
トラック・メイクを先にして
そこにのっけていくような感覚です

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Mrs. GREEN APPLE(ミセスグリーンアップル/以下ミセス)は、ボーカル/ギターの大森元貴さん、ギターの若井滉斗さん、ベースの髙野清宗さん、キーボードの藤澤涼架さん、そしてドラムの山中綾華さんの5人からなるロック・バンドです。疾走感あふれる彼らの代表曲「Speaking」は、多くの高校生バンドにも人気なので、皆さんの中にもコピーに挑戦した方がいるのでは? そんなミセスが2月に6枚目のシングル『Love me, Love you』をリリース、また4月にニュー・アルバムを控えているとの情報を聞きつけ、編集部ではボーカル&ギターの大森元貴さんに取材をオファー、即OKをいただけたので、曲作りの遍歴や新作のことなど、いろいろなお話を伺ってきました!

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▲Mrs. GREEN APPLE。左から大森元貴さん(Vo/G)、若井滉斗さん(G)、髙野清宗さん(B)、山中綾華さん(Dr)、藤澤涼架さん(K)

小6でバンドを組んでオリジナルを演奏

■ギターを弾き始めたのはいつごろですか?

ギターは中1なんですけど、楽器は小6でベースから始めました。そのころモンパチ(MONGOL800)がすごく好きで、モンパチさんがベース/ボーカルだったのでベースを選んだんです。それで卒業式で目立てればと思って(笑)、バンドを組んでモンパチさんのコピーとオリジナルも1曲作って演奏しました。

■ベースを始めて、すぐに作曲まで!?

そうなんです。その後、ちゃんとコードなども学びたいと思ってギターを始めたんです。家におもちゃみたいなギターがあったので、まずはそれを楽器屋さんに持っていき、弦を張り替えるところからでしたね。その後、メーカーは忘れましたけど、レス・ポール・タイプのギターを買いました。ピックアップをフロントとリアで切り替えられるので音に幅があるのかなと思って。

■ちなみに、最初に買ったベースは何でしたか?

何だったっけ……? Epiphone(エピフォン)かな? けっこう重低音がしっかりしている、すごく重たいやつでした。

■ギターは最初にどんな練習をしていましたか?

コードの移動をすぐできるようにしたいとずっと思ってましたね。といっても、何か特別な運指の練習をしていたわけではないんです。ギターって「慣れ」じゃないですか。だから、ギターを持つことに慣れるようにと思って練習していました。

■ちなみに、今のメイン・ギターは?

Fender Telecaster(フェンダー テレキャスター)です。デビュー前からずっと使っている1本があって、レコーディングとライブの両方で使っています。

中1からDTMで曲作り

■曲作りの方法はどうやって勉強したんですか?

誰かに教わったというわけではなくて、すべて自分の感覚、独学だったので、どう説明したらいいのか……(笑)。でも、最初にベースを弾いたことで「ルート」というものを知って、キー、つまり調を知ったことが大きかったのかなと思います。例えば、Gの次にCに行って、Dに行くというスリーコードだけでも、「この曲のキーはGなんだな」ということがわかりますよね。だからベース音さえわかっちゃうと、コード進行は作りやすいのかなと思います。あとはいろんなバンドのコピーをしたり、バンド・スコアを見たりしているうちに、勉強というよりも、楽しみながら、いろいろなことを自然と知ることができました。

■どんなバンドのコピーを?

例えば、RADWIMPSとかONE OK ROCKとかですね。当時は周りもすごく聴いてましたし。

■当時、ギターは何に録音していたんですか?

中1からDTMも始めたので、PC(パソコン)に録っていました。ソフトはAPPLE社のGarageBand(ガレージバンド)です。ミセスを組むまでずっと使っていたので、「GarageBandのことなら任せてください!」みたいなところはあります(笑)。でも、最初はギターの音をPCに取り込む方法がわからなくて、Macの勉強から始めました。インターネットでいろんな人のサイトを見て「オーディオ・インターフェースというものがあるんだ」とか、そこからでしたね。それこそ最初は電子ピアノに入っているドラムの音色を鳴らして、電子ピアノのスピーカーにマイクを近づけてリズムを録ったりしてたんです(笑)。「打ち込み」という概念を知らなかったし、MIDIキーボードという存在も知らなかったので。

■全くの手探り状態で始めたんですね。

ずっと1人で試行錯誤していました。でも、1人でやっていたからこそ、自分なりの「これはいい」「これはだめなんだ」という感覚を養うことができたように思います。

■ソフトを使いこなせるようになったのは、いつぐらいですか?

クオンタイズとか、ベロシティとか、そういうことがわかってきたのは中3くらいですかね。最初は「MIDIキーボード買ったのに、なんでこんなにテンポが合わないんだろうな?」と思ってましたから(笑)。

■よく挫折しませんでしたね。

純粋に楽しかったんだと思います。曲を作りたいという気持ちは間違いなくあって、具現化させたかったんです。だから、クオンタイズとかがわかってくるとテンポがズレることもないし、その上で自由にベースとギターを弾けると思っただけでワクワクしてました。

■ミセスのために最初に作った曲のことは覚えていますか?

はい。ミセスは高校1年生の終わりころに組んだんですけど、そのちょっと前に作りました。世には出てないですけど、今のアンサンブルよりも難しかったと思います。メンバーを誘うときにその曲を聴かせて、ドラムの山中(綾華)はそれを聴いて、一緒にやりたいと言ってくれたんです。

『Love me, Love you』
ユニバーサルミュージック
初回限定盤 CD+DVD:UPCH-89374
通常盤 CDのみ:UPCH-80487

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『軽音マガジン 2018 Vol.4』 トップ・ページへ