特集・コラム

音楽に携わる24の職業カルテ「クラフト/リペア系」

楽器を愛する熱意と技の職人
「クラフトマン/リペアマン」

楽器をデザインし、材料選び、切削と組み立て、塗装などの作業を行うクラフトマン。大手メーカーの工場や工房に勤務し、工場では機械を用いた大量生産を、工房では手工的な楽器作りを行っている。一方のリペアマンは楽器メーカーや楽器店に勤め、完成したばかりの楽器や輸入楽器が店頭に並ぶ前の最終調整や、ユーザーから依頼された修理・調整を行う。音楽ファンの中には楽器に魅せられ、これらの職業を目指している人もいるだろう。しかしどちらも採用数は少ない。少しでも有利に進めるなら、ギターの場合は専門スクールがあるので、技術を学んで就職につなげるのがいいだろう。


演奏家を支える究極の楽器好き
「ローディ/テクニシャン」

ミュージシャンが命の次に大切にしている楽器を、本人に代わって管理する責任重大な仕事。楽器をいつもベストの状態にメンテナンスしておくのはもちろん、コンサート会場やスタジオにも同行し、搬入出とセッティング、チューニング、時には音出しのチェックまで任されることもある。楽器に詳しくなければ務まらないので、楽器リペアが学べるミュージック・スクールで技術と知識を身につけておくといいだろう。また、受け持つミュージシャンのクセや音楽性を十分に理解し、信頼を得ることも肝心だ。この職種は楽器リース会社、ローディ会社、音楽プロダクションなどで募集している。


ピアノ調律師
「ピアノを熟知した専門医」

ちょっとした気温や湿度の変化でコンディションが変わってしまうアコースティック・ピアノ。そんな複雑でデリケートな楽器をベストな状態に保つために、音程・音色・タッチを正しく整え、クリーニングや修理を施すのが調律師の仕事だ。調律師の多くは音楽教室や学校、教会、個人宅を商売相手にしているが、中にはプロのピアニストの演奏会で調律を担当するコンサート・チューナーもいる。いずれにしても、研ぎ澄まされた音感と耳、それに高度な技術と長年培った経験や勘が求められる。目指すなら、ミュージック・スクールや音楽大学、メーカー主宰の養成所で専門技術を身につけよう。