特集・コラム

音楽に携わる24の職業カルテ「コンサート/イベント系」

コンサート運営の最高責任者
「コンサート・プロモーター/イベンター」

コンサートのすべてを取り仕切る、コンサートにおけるプロデューサー的な役割を果たすのがこの職業。クライアントやアーティストとの交渉から始まり、コンサートの企画・制作、チケットの販売・管理、事前の宣伝・広報活動などを行う。また、コンサート当日は現場の責任者となるため、物事がスムーズに進むように、また事故が起こらないように細心の注意を払いながら運営していく。責任感、それにやる気と行動力が求められる仕事だ。コンサート制作を学ぶコースのあるスクールでは、さまざまな現場で実地体験ができるので、そこで経験を積んでからイベント会社に就職するのが近道だろう。


コンサート制作チームの司令塔
「舞台監督」

コンサートには、異なる役割を持ったスタッフが多く関わっている。その全スタッフに的確な指示を出し、コンサートをスケジュールどおりに進行させて成功に導くのが舞台監督の使命だ。そのためアーティスト・サイドや主催者、会場側と密に打ち合わせをし、有能なスタッフを集め、リスク管理も行うなど、仕事内容は多岐にわたる。コンサート全体を客観的に見られる能力と経験が問われるため、舞台監督の職についているのは舞台制作の現場経験者、照明や美術のキャリアを持った人である場合が多い。目指すなら、舞台監督会社に入ってアシスタントから始めることになるだろう。


ライブの良し悪しを握る音の演出家
「PA」

コンサート会場の中央に陣取り、たくさんの機械をいじっている人たちがPA スタッフである。アーティストの歌や演奏を客席にベストな状態で届けるための音の演出家だ。音の状態はホールの広さや形状、壁の材質によって変わり、アーティストによっても求めるサウンドが異なるため、会場によってまったく違った調整が必要になる。スタッフはとにかく場数を踏み、その経験によってステージマン→モニターマン→音響の責任者であるハウスオペレーターへと昇格していく。目指すなら音響関係のスクールで技術を学び、そこでPA 会社のアルバイトを紹介してもらい、経験を積むのが早いだろう。


音楽をビジュアル化する芸術家
「舞台美術、照明、特殊効果」

大規模なコンサートでは、観客にアーティストのパフォーマンスをより印象づけるために、音楽をビジュアル的に彩ることが多い。例えばステージに大きなモニターを設置して映像を流したり、さまざまな色や形の照明を駆使したり、スモークやレーザー、花火、紙吹雪などを使う特殊な演出がそれだ。こういった分野の構想から実操作までを担うのが、美術、照明、特殊効果のスタッフである。どの分野も技術を身につけるのはすべて現場。アルバイトから始めることになるが、求人は少ない。コンサート制作を学べるミュージック・スクールで実地経験を積み、働き口を紹介してもらうのが手だ。